隔月で開催される デザロンキョウト へ参加。

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第19回目となるデザロンは華道遠州・宗家・貞陽斎 芦田一寿人氏】をゲストにお迎えする会でした。

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今回はスライドによる華道の原点と歴史、華道遠州の成り立ち、華道遠州の他流派との違い、特徴的な活け方のスタイル事例、花を活けるということの意味、華道といけばなの違い、宗家の多岐にわたるご活動など、様々なお話を伺いました。詳細なトーク内容は、参加者のみの共有ということで掲載は省きます。未生流の源流も華道遠州なんですね〜。ほほ〜。

華道遠州 のウェブサイトは京都に来てしばらくした頃にデザロンで知り合った佐藤枝美さんからお聞きして拝見したことがあるものの、どのような特徴がある流派なのか、イマイチつかめないままでした。勝手なイメージとしては、花草木を他の流派以上に無理やり造形的に曲げて構築し、重厚かつ格式のある型を用いる流派なのかな、と。華道遠州=武家に似合う格式高く、ゴテゴテ威圧感のある難しい流派なのかな、と想像していました。

宗家から伺ったお話で、華道遠州は決して入門しにくい難しい流派ではない、ということがよく理解できました。日本古来の華道の技術を現代まで継承しつつ、華道遠州の「綺麗さび」ありつつ、現代の美も取り入れていく。確かに、他流派の作品とも比べてみましたが、宗家の作品の方がより美しく、完璧なる空間構成のモダンな作品だと感じます。教授陣の作品もちらっとウェブサイトで拝見しましたが、宗家の作品は最も洗練された美しさで素晴らしいと感じます。この空間構成のセンスは、宗家が大学時代に美大で空間演出を学ばれたからかもしれません。

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最後にはお花の生け込み実演が!
曲げたい部分の枝を数カ所小さなノコギリで三角形に切り、用意してある同じ木の破片「くさび」をカット部分に挟みながら観世水型に曲げていく。「くさび」を入れつつ、植物に必要な水がきちんと上がるようにする「くさび橈め」という独自の技術。昔の華道ではどの流派でも行われていた方法ですが、現代では手間がかかるため華道遠州以外の流派では行わない(教えない)方法だそうです。

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実演前の状態。

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実演後の完成形。なんてカッコいいのでしょうか!

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剣山ではない、コレはなんていうのでしょう?お花を挿してある小道具も流派によって違うのですね。

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「くさび橈め」技法による、流麗な観世水型の木枝。

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「くさび橈め」部分アップ。

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自然を超越する美しさを創造する「見立て」の世界感は、とても繊細で流麗で美しい!他の流派とちょっと違うことを納得。

華道を習いたいけれど、悩みます。華道遠州・宗家の場合、教えるときは師範のお弟子さんたちに任せっきりにせず、必ず宗家ご自身で細かく教えてくださるそうです。そう聞いたら、宗家直伝で習いたいと思うてしまう。池坊(先生はまだ未開拓)とどっちにするか悩むけれど、華道遠州もええな〜と、強く実感できた機会となりました。

池坊は華道の源流(仏花である立花から始まる)であるし、華道遠州は小堀遠州公の美意識「綺麗さび」を継承しているし、どっちかにすることは間違いないです。自分のお花生け込み(ちらっとかじった華道と、フラワーアレンジメントが混ざった自己流)の過去写真を見直すと、なんとダサくて野暮なのか。早く正統な華道を習いたい!小堀遠州公の美意識「綺麗さび」については、造園研究の先生方からもよく出る言葉で、小堀遠州公の作庭した庭は確かにどれも雅でシンプルで美しいのです。華道遠州、かなり魅力的。近いうちに入門しちゃおうっかな。

デザロンキョウト 主催者の皆様、華道遠州・宗家・貞陽斎 芦田一寿人様、貴重な会を誠にありがとうございました!

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華道遠州 http://kadouenshu.com/index.html
     http://kadouenshu.com/top.html