2016.05.25. ぬぬぬパナパナのぬぬ 2016 大阪展
今年も阪急うめだ本店で開催された【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2016 大阪展 】へ行ってきました。雨だったのと仕事で時間に余裕なく洋服で。
会場には今年も素敵な手績みの布「ぬぬ」たちが!
いいですね〜、丹波布、芭蕉布、琉球絣、琉球紅型、琉球藍染め。力のある布は素晴らしく魅入ってしまいます。
会場で「ぬぬ」たちを一巡りした後、場を移して、朝香沙都子さん、西岡万紀先生、松下妙子先生、須賀凌子先生によるレクチャー「キモノ井戸端会議 vol.4」へ。
今年の内容は、昨年12月に7日で7島を巡るというハードな「八重山染織スタディーツアー」に行かれた時のレポートです。離島各地で織られているいろいろな天然素材の布についてのお話です。
このツアーの詳細なレポートは、朝香沙都子さんのブログ きものカンタビーレ「ぬぬパナ八重山勉強会の旅 まとめリンク」にとても詳しく掲載されていますので、どうぞお時間のある時にじっくりご覧くださいね。
下記は、自分用覚書。
■ 宮古上布
天然の植物を割いたものを繊維としてできているので、普通の着物みたいにピシッと折り目正しく着てはいけないそうです(!)。
着る前に濡らしておくか、前日から浴室に掛けて湿気を含ませてから着るそうです。日中のお出かけの際には、必ず霧吹きを持参し、たまにスプレーしてしんなりさせる必要があるそうです。乾燥するとピリピリと割れてくるらしい(!)。
宮古上布でも、重要無形文化財(たてよこ手績み、手絣)のものと、そうでないものがあるそうです。詳細は自分で勉強しましょう!
宮古上布/宮古織物事業協同組合 http://miyako-joufu.com/
宮古島織物紀行 http://www.miyakojima.cc/
■ 八重山交織(ぐんぼう/こうしょく)
たてよこの糸を変えて織った織物。西筋ヒデ(いりすじひで)さんが60歳から独自に織りを始めたそうです。
■ 石垣 八重山上布
布を白地にするため「海晒し」を唯一行っていた島。色止めの効果もあるそう。
■ 石垣 八重山ミンサー
見学に行ける組合があります。大人数では無理ですが、少人数であれば予約なしで見学も可能。大人数の場合は事前にご連絡するのがベストです。
石垣市織物企業組合 http://www.ryukyujima.net/shop_info.php?ShopCode=071999
八重山花織事業協同組合 http://www.hanaori.biz/
琉球・石垣で使用する【藍】は、一般的なすくもを作って色を出す藍(タデアイ)と違うそうです。
琉球に自生している「ナンバンコマツナギ(豆科)」という植物を使用します。八重山木藍、島藍、インド藍ともいわれます。
藍布工房(らんぷこうぼう) http://lamp.yaema.jp/
■ 石垣 川平織(かびらおり)
からん工房 http://ameblo.jp/wingofkimera/entry-12125033679.html
市松花織
■ 与那国島(日本最南端)
アヤミハビル館
https://www.churashima.net/shima/special/yonaguni/04ayami.html
モスラのモデルになった、世界最大の蛾「アヤミハビル(ヨナグニサン)」という、ガの一種の繭から取れる糸を使った織物があるそうです。
与那国町伝統工芸館 http://www.yonaguniori.org/
■ 与那国シタディ
木綿の手拭いのことを「シタディー」と言います。
ていぬ花工房 http://www.shokokai.or.jp/47/4738210145/index.htm
■ 西表島
「海晒し」を現在も日本で唯一行っている。
紅露工房(くうるこうぼう) http://kuurukoubou.wix.com/iriomote
■ 竹富島
竹富民芸館 http://www.churashima.net/shima/taketomi/l_20010412_2/
着物初心者さんにはちょっぴり難しいお話でしたが、着物の知識が少しある人にとっては、とても勉強になる内容で、時間があっという間に過ぎていきました。講師のみなさまは、きもの文化検定一級の方々ですからね、奥が深い深い。さらにさらに詳しくお聞きしたい内容で、ぜひとも別の機会に「八重山染織スタディーツアー レポートVol.2」をお願いしたいです!!!
終わりに、和裁士の松下妙子先生から、宮古上布・八重山上布・芭蕉布など(天然の植物を割いたもので作られた布)のお仕立ての難しさ、お仕立ての際のコツをお聞きしました。お仕立ての際にもピシーッと折り目をつけてはいけないため、とても気を使うそうです。この日朝香さんがお召しのお着物(八重山上布)は松下妙子先生のお仕立てだそうです。
西岡万紀先生の私物。貴重な与那国の織物・名古屋帯と、八重山ミンサー織の半幅帯を拝見しました。どちらも草木染め。
朝香沙都子さん、西岡万紀先生、松下妙子先生、須賀凌子先生、楽しいお話を誠にありがとうございました!素敵な琉球のお召し物にも眼福!
会場へ戻り、自分用お土産を物色。大きな「ぬぬ」たちは買えないので、西表島の木から作られた着付ベラ(西岡万紀先生監修)を残り三本になっていたうちの一本をGET!着付師さんにはもちろん必須アイテムですが、自分用にもあると便利そうです。近々試してみたいと思います。
そして写真撮影はしていないのですが、ぬぬぬパナパナオリジナルの藍染帯締めをいただきました。八重山木藍「ナンバンコマツナギ(豆科)」が使用された華やかなブルーの色合いが素敵な帯締めです。房が無いので、帯留をつけるのにもぴったりで、これからの季節、夏着物に登場させたいと思います。