katsunoya » 伝統工芸

カテゴリー : 伝統工芸

2017.08.26. 栗山工房祭 工房見学会

 藤工房さん主催の栗山工房祭 工房見学会】へ参加してきました。

仁王門うね乃

お出かけ前に「仁王門うね乃」でおうどんを。

 

栗山工房祭 工房見学会

栗山工房

伝統工芸である琉球紅型に魅せられた初代・栗山吉三郎氏が、京友禅の技法を融合させた「和染紅型」を生み出し、嵯峨野に工房を創設。デザイン・型彫り・染めまでのほとんどの工程を工房内で一貫制作されています。



(*これから工房見学行く方にはネタバレあり。)

(*見学会の内容について、栗山工房・西田裕子様に掲載のご承諾をいただいております。西田様、ありがとうございます。)

民芸を好きになり、様々な伝統工芸を知ると、着物を着ようが着まいが、手業の素晴らしい工芸のことを知りたくなります。今回は着物は着ないけれど、伝統工芸好きであるヤギも一緒に参加させていただきました。

展示室では、普段なかなか見ることができない栗山工房作品を一同に拝見。どれも素敵で眼福!

たくさんの人数での見学会、2グループに分かれて、順次工房内をご案内いただきます。栗山工房三代目・西田裕子氏から紅型染めの技法をご説明いただきました。型彫り、糊置き、彩色、糊伏せ、地染めと工程があります。

デザイン室で、図案作成から型彫りまでの工程を拝見。型は伊勢型紙と同じく紗張り柿渋塗りで、工房内で一貫制作。型を彫る手業も人によって微妙な違いがあることが味わいとなり、型染めの仕上がりがおもしろくなります。糊置きの時、型紙をリピートしていくための◯印を、図案の中にどのように紛らせるかもデザインのポイント。

反物に糊置きをするスペース。13mの反物を7m弱の木の長板に表裏張り付け、「馬」と呼ばれる支柱の上に寝かせて、青花染料を混ぜた防染糊(もちのり)を型に合わせて糊置きしていきます。長板の表裏両面を一気に糊置きした後、長板を頭上に上げ乾燥させます。「馬」の上面が弓なりに凹んでいるので、片面を糊置きし、すぐにひっくり返しても「馬」には触れないのです。

乾燥したら、また両面糊置きして乾かす、この工程を繰り返し行います。長板の上げ下げ、また粘り気の強い防染糊(もち米を使う糊はお餅を伸ばすようなねっとり感)を均一に素早く糊置きしていくため力が必要で、男性にしかできない作業だそうです。

デザインが複雑なほど、彩色の時に染料がにじまないように、糊置きを繰り返し行い、糊を盛り盛りにするそうです。

糊置きだけでは染料が生地ににじむため、反物全体ににじみを防ぐ豆汁と布海苔の溶液を刷毛で引いていくスペース。重たい溶液の入ったバケツを片手で持ちながら、長い反物に溶液を素早く均一に引いていきます。反物の端からどんどん乾いていく(ムラがあると彩色にムラが出てしまう)ので、素早く施していく必要があるため、こちらも男性の受け持ち。

彩色していくスペース。長い反物をくるくる回していけるようにしてあります。(友禅染めも同じ)

友禅と同じ染料を使っていても、紅型なので、生地の裏側までしっかりと染料が染み込んでいます。この反物は模様部分の彩色後、全体を赤色で地染めし、振袖になるそうです。全体の仕上がりを想像しながら染めるの難しいです〜。

彩色後、反物は染料を定着させるため蒸し工程へ。蒸し工程は大きな設備が必要なため、専門工場へ。

水元=蒸し工程が終わった反物の糊や余分な染料を洗い落とす場所。とっても広い!やはり染物には水が重要で、今でも自然の川の水を引き込んで使用しているそうです。(*塩素の入った水道水は使用に適さないのです。)こちらも冷えるし重労働なので、男性の受け持ち。

 

工房見学の後は、染色体験へ!!!和紙の絵葉書に狛犬さんを染めます。今回の見学会のために、オリジナルのデザイン、型彫り、和紙への染色実験など、事前にご準備くださいました。誠にありがとうございます!!!

水色部分は、前もって糊置きをしてくださっている部分です。お手本と同じように染めようと思うんだけど、細かい部分は糊を超えて他の部分に染料がはみ出したりして、思っていた以上に難しい。さて、完成後はどうなっているか、後日自宅で糊落とししてからご報告しますね。

工房内の一部で、様々な型染めの資料が展示されています。

おまけ:トイレの表示も紅型!

 

糊置きなどの下地作りから、若い職人さんたちが丹精込めて一枚一枚を手がけていらっしゃいます。実際に拝見することでわかる職人技の素晴らしさ。身につけさせていただく作品も一層愛おしく思います。貴重な工房体験をさせていただき、誠にありがとうございました!!!

今回の染め体験は大人数のため絵葉書でしたが、いつか帯の染め体験に伺いたいと思っています。工房内でご指導いただきながら染めていくので、多くて2〜3人でしょうか。どなたかご一緒しませんか???

夜の【 栗山工房祭 パーティー】へ続きます。→ ●△■

 

2017.05.27. ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 02

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 01 】から引き続き、この日は【 キモノ文化講座 】へ参加。

■ キモノ文化講座(3)「キモノ井戸端会議 vol.6」

■ テーマ「絹の着心地はどこから?染めの着物」

講師は、朝香沙都子さん、松下妙子さん、西岡万紀さん、須賀凌子さん。

着物のことは、生地の種類、織り・染め、産地も少しはわかりますが、ベテランの着物通の方々に比べれば、まだまだ知識も経験もあやふやで勉強不足。

今回の井戸端会議は、あらゆる “ 染め ” の着物について、実物を見て触って質問できるという、とても貴重な機会でした。実物のお着物は、朝香沙都子さんと西岡万紀さんの自前のお着物を総動員!!!

解説終了後には、参加者のみなさまで大切なお着物を触らせていただきながら、質疑応答。着物をよく着られる方からも、様々な質問が噴出!!!時間内では終わらない雰囲気でしたが、終了時間目いっぱいになりまして、おひらきに。

勝野から朝香沙都子さんへの質問は「藍染め、紫根染め、茜染めなど自然素材での染め物は色落ちしますか???」。

朝香沙都子さんの回答は「仕立てる前に水通し・色止めはしても、やはり色落ちはします。着用時には色移りしないよう気をつけますが、どうしても襦袢や足袋に色は付きます。」と。

それでも自然素材、草木染めは魅力的なのですよね。色移り後のお洗濯で少し気を使ったり、足袋や襦袢に色移りしても良い専用を作るなど必要なのですが、魅力あるものは身につけたい。がんばろ〜。

最後に、講師の朝香沙都子さん、西岡万紀さん、須賀凌子さんと、ご一緒したみなさまと記念撮影。貴重な講義を誠にありがとうございました!!!またこのような機会があることを、切に願っております!!!

この日の勝野コーデは、正絹久留米絣単衣着物+木綿幾何学文様絞り名古屋帯+ぬぬパナ琉球藍染帯締めで。

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 】の開催は、残念ながら今年で終了。また違う形で、このような手作りにこだわる作家さんたちの作品がたくさん拝見できる機会が生まれますように。

ぬぬぬパナパナ主宰の浦令子さんのご冥福を心からお祈りいたします。

 

■ カンテ・グランデ

阪急を後にして、グランフロント大阪のカレンブロッソへお誂えのご相談に。雨用に黒のカレンブロッソがずーっと欲しくて、それに合わせる鼻緒を1年悩み(人と違う鼻緒にしたいから)、結局先日黒田商店さんでいただいた鼻緒でオーダー。(*完成後に別途レポートしますね)

疲れたので、カンテ・グランデで一服。ゴータマショコラとマサラチャイはテッパンですね!学生時代からもう30年味わってるけど、これは大阪でしか味わえないんですよね〜。いつもカンテには感謝!

2017.05.24. ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 01

ぬぬぬパナパナとは

八重山地方の方言からの造語で

布の端々の意

今年も阪急うめだ本店で開催された【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 】へ行ってきました。

できるだけたくさんの布「ぬぬ」たちに出会いたかったので、初日の24日に仕事の合間を縫って、とんぼ返りで行ってきました。

今年も素敵な手績みの布「ぬぬ」たちがいっぱい!丹波布、芭蕉布、琉球絣、琉球紅型、琉球藍染め、手紡ぎ紬、草木染めのいろいろ。力のある布「ぬぬ」たちは、どれも表情豊かで力強く、何度見てもうっとりします。

素敵な帯がいっぱいで、いいな〜。でも憧れだけで、まだまだ手にすることはできないんですけど、眼福で目に焼き付けて。

ボディに素敵なコーディネート。自然布の味わいはたまりませんね〜。

大きなモノは無理なので、今年も草木染め・手組みの帯締めをいただきました。太さがあるので、どうしても夏物には不向きなのですが、単衣/袷の時期に、似合いそうな藍染や紬にコーディネートするのが楽しみです!

 

黒田商店

そして初日24日に訪れた目的第二弾は、こちら、黒田商店さんの催事出店です!!!

関西での催事は、毎年5月下旬にJR京都伊勢丹に年に一回だけ出店されていたのですが、今年&来年から阪急うめだ本店になるそうです。JR京都伊勢丹のご出店時に2年通って、毎回格別な鼻緒を一点ずついただくのを楽しみにしておりました。

お父さん、お母さんも、お変わりなくお元気そうで、よかったです!(*撮影のご許可を得ています)

関西圏では、まずこれだけたくさんの鼻緒を一堂に見られる機会って皆無なんですよ。履物屋さんも大阪、京都にありますけど、どこも鼻緒の品揃えがイマイチで、黒田商店さんの催事は貴重なのです。

ヨーロッパで独自買い付けのファブリック、アンティークファブリックを使った鼻緒など。

礼装にも使える格調高い美しい刺繍鼻緒。

江戸小紋、博多織、洋服用ファブリックを使った鼻緒、その他いろいろ。

貴重な更紗を使った鼻緒。

台まで一式お願いするのは無理なので、今回も珍しい鼻緒を一点だけいただきました。(*後日カレンブロッソに挿げることに決定。また別に履物レポートします。)

 

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 02 】はこちら → ●△■

 

2017.05.20. 京都お散歩日記 「技を極める」展

「技を極める-ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸-」展京都国立近代美術館へ。



お友達のジュエリーデザイナーさんの事前情報で、とても評価の高い展覧会だということを知り、日常の暮らしでは全くハイジュエリーとは縁がない生活をしていますが、どんなに素晴らしい工芸品が観れるのだろう、と期待を大きく膨らませて楽しみにしていました。

このポスターのバレリーナ形ブローチも、現物はとってもとっても小さくて。ルーペのある方は、ぜひご持参でご高覧くださいね。

会場には、工房の実物大展示も!こんなパリの景色を見ながら、創作されているのですね。素敵!

最後には、工房のビデオや、ジュエリー画像で遊べるコーナーも。

ゴールデンウィークも過ぎた時期、会場はお客さんもまばらで、じっくり2時間半かけて、素晴らしい工芸宝飾品の数々を堪能しまくり!目の中が、もうもう、キラッキラです!!!キラッキラに憧れる〜〜〜。貧乏人にはハイジュエリーは無理だけれど、ガラスでいいので、何かキラッキラにデコりたい!!!(笑)

「クールジャパン」って言葉が大嫌いですが、海外の工芸品も日本の工芸品も巧みな職人による超絶技巧は同じで、素晴らしい技術の継承が行われています。いや〜、ジュエリーなんて興味ないわ、って方もぜひご高覧すべき素晴らしい展覧会です!!!


「技を極める-ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸-」展

会期は 〜2017年8月6日(日)まで!!!

月曜休館/金曜日・土曜日は午後9時まで開館

 

肉洋食オオタケ

展覧会後は、帰宅しつつ、ご近所の「肉洋食オオタケ」でお夕食。

上質のお肉を定食形式でいただけるので、ありがたいお店です。

美男美女の若いご夫妻が営む小さな小さなお店。ランチもとってもお得なんですよ!また訪れたいと思います。

肉洋食オオタケ Facebook●△■

2017.03.20. 伝統工芸のこれから 西陣織

先日twitterで、ある西陣織の職人さんの小さなつぶやきが、なぜか大々的にリツイート・拡散されまくり、ニュース報道にまで出てしまうという現象がありました。このことで関係者の皆様は、有る事無い事、様々な物言いにも真摯にご対応され、大変だったかと思います。

この現象が起きたことで、良い悪いを含め、現在の日本の伝統工芸の一端で起きている、明らかな問題点がクローズアップされ、世間に知られることとなりました。

西陣織の賃金設定の問題、流通の問題、様々な条件が絡み合って起きている問題点で、今後改善してゆかねば西陣織の技術継承が難しくなっていく、というこの現状は事実なのです。

しかし、確かに事実のひとつではあるのですが、西陣織のすべてがそうではないことをお伝えしたいです。若手職人さんの正規雇用・育成を続けていらっしゃる企業もおありです。西陣織の海外進出を踏まえ、インテリアファブリックやファッションファブリックとしての開発を進化させていらっしゃる企業もおありです。小さな工房で、新しい西陣織のあり方を提案し、がんばっていらっしゃる職人さんもおられます。

着物好きが高じ着物業界の隅っこに関わる自分でも、西陣織のすべての企業・工房・職人さんの現状を知っているわけではありません。知らないことも、たくさんあります。

ただ、個人的な思いとしては、西陣織は無くなっては大変困ります!!!西陣織の技術を、後世まで残したいです!!!

西陣織だけではなく、型染友禅も、注染も、絞りも、江戸小紋も、着物業界以外のあらゆる伝統工芸の分野でも技術継承問題が各地であるのは事実です。

現状の問題点を洗い出し、関係者の皆様で協力し合いながら、少しずつでも技術継承していけるようにしたいですね。個人では微力ながら、着物関係のいろいろな事象に注視し、勉強に勤しみたいと思います。

西陣織がんばれ!という思いを込めて、柳の芽吹きのお写真を添えて。

 

2017.03.04. 「ふみ綴る」展

梅のお花見の日に「アートスペース余花庵」で開催中の、着物と帯の展覧会「ふみ綴る」展へ。

帯屋捨松さん、織楽浅野さん、京絞寺田さん、結城奥順さん四社の合同展。

撮影のご許可をいただき、たくさん撮影させていただいたので、ご覧くださ〜い。

 

帯屋捨松/楽しいPOPな柄が捨松さんの特徴。

織楽浅野/大人上品な古典柄が得意な浅野さん。

京絞寺田/はんなり京都色の上品で可愛らしい絞。

結城奥順/結城紬の中でも、手紬の奥深さ、草木染めの美しさがピカイチ。


 

近づくほどにため息が出る、素晴らしい帯、素晴らしい着尺。眼福でございました!この展覧会では、帯と着物のコーディネートがとてもカッコよく、どの組み合わせも大人上品で素晴らしかったのです!!!

お聞きすると、各社が単独で帯や着物を作り、現場で何となく合わせて展示したのではなく、展覧会の企画段階から話し合い「帯が出来上がってからそれに合う着物を織る」または「着物が出来上がってからそれに合う帯を織る」と、各社が何度も手紙を交わすように、共に時間を重ねて仕上げていったそうです。道理で一寸の隙もない素晴らしいコーディネートになるわけですね。

こんなに「着てみたい!」「この組み合わせで、着てみたい!」と思わせてくれる展覧会は、なかなかないのです。大人上品で可愛い、大人上品でかっこいい。着物コーディネートの目指す方向性を示してくれる、貴重な機会となりました。

来年もまた拝見したい、素晴らしい展覧会でした。

 

2017.02.19. 京都お散歩日記 日本の表装展〜アルスシムラ卒業作品展

【4/3(月)タイニーハウスの映画「 simplife 」全国キャラバン上映会+オープンハウス@京都】の開催に向け、D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学(本山佛光寺)へ、午前中から打ち合わせに再訪問。佛光寺さんのご承認も得られて、無事開催できそうな運びに。よかった〜。

いづ源

打ち合わせ後、佛光寺から四条通りへ出る途中で通りがかった「いづ源」さんでランチ。ご近所着物友達のYご夫妻のオススメのお寿司屋さんだと以前聞いていたので、今回初訪問。

渋いファサード。

店内入って、びっくり!これはっ、ただ者ではないインテリアデザイン!!!壁面の装飾格子間接照明のデザイン、天井の市松間接照明のデザイン、格子間仕切りのデザイン、家具は剣持勇デザインですよ!民芸に傾かない、すっきりとしたモダンデザインで、狭い空間を最大限に活かした平面設計力はすご技。めっちゃかっこよくて、気に入った!(設計者の人は、調べたけれど不明。)

冬場にしかない蒸し寿司と、お得な握り寿司のランチセットをいただきました。蒸し寿司、穴子たっぷりで美味しかったなぁ〜。

美人で京都弁がしなやかな女将さんとYご夫妻の話をたっぷり。(笑)次回は鯖寿司をいただきたいと思います。

 

日本の表装展(後期)@京都文化博物館

ヤギがまだ観ていなかった日本の表装展(後期)@京都文化博物館へ、最終日滑り込み。

 

アルスシムラ2016年度卒業作品展@京都市国際交流会館

日本の表装展の後、アルスシムラ2016年度卒業作品展@京都市国際交流会館へ。

会場は別館の和風建築にて。受付で撮影許可をいただき、厳かな雰囲気の建物の中へ。

【曼荼羅 「源」-めぐる-生から死、死から生へ】卒業生7名の方が先生方と共に織られた、美しい作品。

会場内には、いくつかの和室に分けて、たくさんの美しい作品たち。

佐々木千玲さん作品/着物「雪灯り」

佐々木千玲さん作品/着物「雪灯り」 織りディテール

横田いずみさん作品/着物「二隻の舟」/草木染めなのにPOPで鮮やかな作品。

横田いずみさん作品/着物「二隻の舟」 織りディテール


他にも素敵な作品がたくさん。

 

勝野が一番気になった作品。

加藤はるかさん作品/着物「萌え出づる」・帯「空間」です。志村ふくみ先生の系譜をはっきりと受け継ぐシンプルな染めに惹かれました。藍染めと玉ねぎ染めの茶色の組み合わせが大好きなんです。今、一番心惹かれる色合いです。

加藤はるかさん作品/着物「萌え出づる」・帯「空間」

加藤はるかさん作品/着物「萌え出づる」 織りディテール

加藤はるかさん作品/帯「空間」


帯「空間」は、玉ねぎで染められています。京町家の間取りや格子など、建築ディティールからデザインを発想されたそう。

制作されたご本人とお話ができましたので、「このお着物に、この帯を合わせてお召しになられると、とっても素敵ですね!帯揚げ・帯締めを瓶覗色など明るく爽やかなお色を挿したら、若々しくとても素敵だと思います!」と感想をお伝えしました。ご本人は両方を合わせて着用するというお考えはなかったようなのですが、「ぜひ卒業式で両方を着てみます!」と。

作家として着物や帯を制作されても、まだご自身が “ 着物を着る ” という感覚がないそうで、これからどのように着物に関わり、変化されていかれるのか、ご成長が楽しみです。またどこかで、志村ふくみ先生の一門の方々との作品展で出会えることを楽しみにしております。

 

祇園NITI

展覧会の後は、久しぶりに祇園NITIへ。この時期しかない「いちごミルク」と「ティラミス」の天然かき氷をいただきました。ふふ、ここのかき氷は本当に秀逸で、美味しい!

 

エルメス祇園店

祇園NITIを後にして、花見小路のエルメス祇園店に初訪問。期間限定ショップとして開店してから随分経ちますが、人混みが落ち着いていたので入ってみました。

この日は『 Play Time 』というテーマでの展示。京都の犬矢来から着想した大胆な竹のオブジェが店舗の外と中とを彩ります。写真撮影は外部からのみ撮影OK。店内の様子は、こちらのエルメス公式サイトから → ●△■

『 Play Time 』の商品展示は、水牛の角を使ったアクセサリーの展示でした。シンプルな洋装にもぴったりの可愛いアクセサリーで、ちょっと欲しくなってしまいました!(買わへんけど)

 

打ち合わせから展覧会から盛りだくさんで、歩いた距離はトータル13.2km。かなりクタクタになった一日でした。(この日は一時雨予報もあったのと、朝時間がなかったため洋服)

2017.02.18. 藤井絞祭り meet the FUJIISHIBORi

2月2日にも業界向け展示会にお伺いした藤井絞さんですが、一般の着物ファンが参加できるイベントを開催してくださいましたので【 藤井絞祭り meet the FUJIISHIBORi(2017.2.18.〜19.)】にお着物友達のYちゃんと一緒に伺いました。

 

京洋食まつもと

まずは「京洋食まつもと」で待ち合わせてランチを。濃厚で美味しいデミグラスソースの自家製ハンバーグランチ。

コーヒーまでいただこうと思っていたら、おしゃべりしていたらあっという間に時間が過ぎてて、慌ててお会計してもらい藤井絞さんへ。

 

藤井絞祭り meet the FUJIISHIBORi

トークショーの開演時間が過ぎていましたが、なんとか滑り込みセーフ。

この日は藤井社長による絞りについてのトークショー。藤井社長がこの世界に入られてから、どのような想いで何年もかかって今の形になるまでご尽力されてきたのか、とても勉強になるお話でした。

 

とても美しい正絹の絞り染めの着尺地と帯地。このはんなり上品な色合いは、本当に可憐で美しく、京都の街にも映える素敵なお色。着物初心者のお若い方でも「このデザイン可愛くて、とても着てみたい!」とおっしゃる気持ちがとてもよくわかります。

藤井絞祭です!!!一般の着物ファンが好きなだけじっくりと藤井絞さんのお品を拝見できるチャンス。鏡の前で好きな反物を試着させていただいて、トークショーにご参加の一期一会の皆様と、あーだね、こーだね、と楽しいひと時。

今回あらためて様々な絞りの作品をゆっくり拝見し、絞りのイメージも時代によって、どんどん進化しているのだと実感しました。日本製の手絞りがどんどん難しくなっていく時代ですが、素晴らしい手業のあるものは愛おしく、現代生活に相応しく変化しつつも、これからも作り続けていただけるよう、消費者としてお品を手にしていきたいと思います。

 

浴衣もじっくり拝見。可愛いらしいPOPなデザイン、渋かっこいい雪花絞、艶やかな雪花絞、宝石のような瑠璃色の雪花絞まで。

 

うめぞのカフェ

素敵なものをたくさん拝見したので、興奮冷めやらぬ火照った状態。クールダウンのため近所の「うめぞのカフェ」へ。

みたらし団子とあんみつ黒みつ添え・抹茶セット


 

■ 着物コーディネート

最後に、この日の着物写真撮影をし忘れたので、「うめぞのカフェ」のスタッフさんに撮影していただきました。

一時雨予報だったので、何度も登場している撥水加工済みの縫い締め絞りの藍染め紬着物に、型染の赤い帯、梅柄飛び絞帯揚げ。写真では写っていませんが、季節に合わせて梅柄のお扇子を。


また来年も藤井絞祭、楽しみにしております!

もう気持ちは夏へ。今年も祇園祭で藤井絞さんの雪花絞浴衣を纏えることが楽しみです!!!

 

2017.02.14. 京都お散歩日記 真宗本山佛光寺 D&Department Kyoto

【4/3(月)タイニーハウスの映画「 simplife 」全国キャラバン上映会+オープンハウス@京都】の開催に向けて、D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学(本山佛光寺)へ打ち合わせに。

実は初めて行くんですよね…。随分と前から知ってはいたけれど、京都造形芸術大学に関わっていながら行かず仕舞いで、大変申し訳ない…。

今回初めてきちんとお店にも食堂にも伺ってみて、とても素晴らしいお店だということを痛感しました!!!(東京・九品仏のD&DEPERTMENT TOKYOには、東京在住時代には2000年のオープン時からよく通いました。雑貨も可愛かったし、お店用の備品やディスプレイ用に小物探しにも、深夜カフェ利用でもよく通いました。昔はカフェは朝方まで営業していたのよね。今は23時まで。)

 

重厚な御影堂門から入っていきます。門をくぐると広大な境内が広がり、立派な阿弥陀堂と大師堂があります。

本山佛光寺 御影堂門

本山佛光寺 左・阿弥陀堂と右・大師堂

本山佛光寺 阿弥陀堂と大師堂前にある枝振りの美しい枝垂桜


境内の奥・南側にD&DEPERTMENT KYOTOのショップがあります。

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 ショップ 外観

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 ショップ エントランス

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 ショップ 看板

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 ショップ 内観

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 ショップ 内観


和室の後の小部屋もあります。

商品はリユース&新品の家具、食器、書籍、オリジナルプロデュース雑貨から、京都の名品まで。

京都土産にできる老舗店の食材もいろいろあり、うね乃さんのお出汁もあります!

なんと、日本一(いや、世界一やと思われます)の自家焙煎珈琲「珈琲美美」のコーヒー豆発見!九州に行かずに京都で買えるなんて!(涙)

ショップの左端にあるギャラリースペースでは、森正洋の平形めし茶碗展」が開催中でした。100種類のお茶碗が勢ぞろいで、どれも可愛いデザイン。(森正洋さん大好きで、こんなに人気が出る前、もう20年近く前に波佐見の白山陶器本社までデッドストックの食器を買い付けに行ったなぁ。

 

ショップを堪能した後、dd食堂(カフェではない、食堂だよ)へ。元・宿坊をお店として使用されています。現在でもお寺のイベントがあるときは、食堂ではなく、宿坊として使用されることもあるそうです。

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 dd食堂 外観

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 dd食堂 看板

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 dd食堂 縁側


dd食堂内の家具は、なんと、長大作先生の家具ですよ!!!こんな一流の家具に腰掛けながら、お茶できるなんて、なんて素晴らしい空間なんでしょう♬

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 dd食堂 内観

D&DEPERTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学 dd食堂 内観


 

時間的に夕方遅くだったので、限定10食のパフェはなかったので、柳櫻園の抹茶と手焼き最中のセットと、クリームあんみつ(麩嘉のお麩・津乃吉の黒豆・中村製餡所のあんこ)と、中山珈琲焙煎所のコーヒーをいただきました。

ご飯ものなども野菜を京都八百一から仕入れていたり、食材のひとつひとつを、ロングライフな京都〜丹後地方の名店からセレクトしたもので全て構成されれいるこだわりに感服!素晴らしいです!

柳櫻園の抹茶と手焼き最中のセット

クリームあんみつ(麩嘉のお麩・津乃吉の黒豆・中村製餡所のあんこ)と、中山珈琲焙煎所のコーヒー


 

自分ち用に買ったもの。「珈琲美美」のコーヒー豆と「志ば久」のしば漬け。

「志ば久」のしば漬けも、なかなか京都市内でも買えるお店が限られているので、こちらで手に入るの、めっちゃ嬉しい。なんでもっと早くに来なかったんだろう…。

梱包材は、ショップの軒先で回収している、一般の方から集められた様々なお店の紙袋を再利用。このアイデアもさすが!うちにもたくさん紙袋がたまってきているので、D&DEPERTMENT KYOTOに持ってこようと思います。

 

さて、【4/3(月)タイニーハウスの映画「 simplife 」全国キャラバン上映会+オープンハウス@京都】にみなさまお越しくださいますこと、心からお待ち申し上げております!

 

2017.02.05. 「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展へ

■ 「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展

会期終了も近づく中、 「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 -利休の愛した美-」展@京都国立近代美術館へ。(*雨天のため洋服で…)

とても、とても、素晴らしい展覧会でした!!!

樂家の始祖=初代・長次郎から始まり、樂家の個性的な作陶技法を成り立たせてきた2代、3代に本阿弥光悦の影響、利休の影響が大きく加わり、昭和に入ってキュビズム具体美術の影響も加わり、現在の15代まで一子相伝で続く、樂家の創作の全てを拝見することができました。

3月14日からは、東京国立近代美術館にて巡回展示が始まります。伝統工芸、デザインに関わる人は絶対観るべき展覧会です。合わせて、コレクション展も観られることをお勧めします。

 

カレー専門店 ビィヤント

展覧会後は、カレーが食べたかったので、久しぶりに「カレー専門店 ビィヤント」@聖護院東大路西へ。おばちゃんも元気そうでよかった!

野菜サラダ、カツカレー(野菜カレー/中辛)を。薄っぺたくて香ばしいカツがたまりません!

 

■ カフェ source. 

食後にはウチへ帰る道すがら、カフェ「source. 」@神宮丸太町交差点すぐで、デザート&お茶を。

こちらのお店、ご飯ものは量が少なくてイマイチなのですが、デザートが自家製でとても美味しいのです。コーヒーも自家焙煎珈琲「WEEKENDERS COFFEE」さんの豆を使用するこだわり。

閉店時間が早まってから行く機会が減りましたけど、インテリアデザインもカッコイイし、すぐ近所なのでありがたいカフェです。カウンター席にはコンセントもあるので、ノマドワーカーにも重宝されるカフェです。

コーヒーはテイクアウトもできるので、お天気の良い日にコーヒーを買って、岡崎界隈や鴨川をぷらぷらお散歩してみようと思います。

素晴らしい展覧会を観られて、充実した1日でした!