本日93日「吉澤暁子先生お別れ会」が執り行われました。参列できませんでしたが、お世話になりました吉澤暁子先生への思いを馳せながら。

【美しき方とのお別れ】

酷暑が続く真夏の京都。お盆を目の前に、美しき方とのお別れが訪れてしまいました。

2023年8月12日に着付師・吉澤暁子先生がご逝去されたと知る。あまりにも突然の訃報に動揺し、先生のことを思い出す度に号泣してしまい、数日間気持ちが不安定なまま続いています。なんて言えばいいのでしょう、悲しすぎる、残念すぎる、他に言葉がありません。

京都に移住してきた13年前に、大阪や京都の街中で偶然吉澤先生のお姿をお見かけしては、ヤギと一緒に「かわいいねぇ」「キリッとカッコよく美しい人だねぇ」なんて、(隠れファン)こっそりヒソヒソお噂していました。大好きな雪花絞のご縁から、藤井絞祭で藤井絞さんの本社へお伺いした際に、吉澤先生にご挨拶させていただいたのが最初だったかと思います。

それ以来、街中で勝野を見かけてはわざわざ追っかけてきてまで「最近、どない?元気してる〜?」なんて気さくにお声をかけてくださったり、京洋食まつもとでお食事してるときにお話ししてくださったり。いつもお美しくチャーミングな笑顔と男前な心意気にとてもパワーをいただきました。

きものサローネでも何度もお世話になりつつ、最も吉澤先生と交流させていただいたのは、2021年11月に開催したhibaco企画の「大人の振袖展」です。振袖作品のお着付けを「吉澤暁子 きもの着付け教室」にご依頼し、振袖コーディネートに勝野屋小物を使うご相談をしたり、展示会場でのトルソー着付けを全てお願いいたしました。

トルソー13体もの振袖着付けに対し、お弟子の着付師さん達が吉澤先生を司令塔に一斉に着付けていくプロの現場に初めて遭遇したのですが、とても貴重な経験でした。お弟子さんの着付けを途中で厳しくチェックしながら、励まし誉めつつ、緊張感を持ちながら完璧な着付けを行なっていく。プロフェッショナルの仕事とはこんなにもすごいものなのか、と感動したことを今でも忘れられません。今までで見た中で、一番カッコよく、美しい、完璧なる着付け、ものすごい体験でした!

いつかまたお仕事でお着付けをお願いするなら、いつか他装着付けを習うなら吉澤先生に…なんて思っておりましたのに。昨年から私自身の身体の悪魔との戦いもあり、すっかり着物から遠ざかったままですが、「吉澤先生、お元気かしら?そろそろまつもとにお食事に伺わなくては〜」なんて思っておりましたのに。「いつか…」なんて考えて、すっかり長い間お会いしないままとなってしまい、本当に残念でなりません。お世話になったお礼をきちんとお伝えできないままとなり、本当に心残りです。

きもの業界を良くしていこうとご尽力されてきたご功績、人のご縁を繋ぎ人を育ててこられましたこと、優秀なお弟子さん達がこの軌跡をしっかり繋いでいかれることと思います。

吉澤先生と交流させていただいた思い出をずっと心深く刻みつけていきたいと思います。吉澤先生、誠にありがとうございました。どうぞ天国で安らかにお眠りください。謹んでお悔やみと、心からご冥福をお祈りいたします。

 

#吉澤先生と一緒

写真、第一弾。藤井絞祭・京洋食まつもとでのきものパーティー。

 

写真、第二弾。hibaco企画「大人の振袖展」のとき。プロフェッショナルな吉澤先生と門下生の皆様による素晴らしきお着付け仕事いろいろ&吉澤先生と栗山工房・西田さんトークショー&イベントに関わった皆様と。