katsunoya » 2024 » 7月

【シュルレアリスム100年映画祭】この秋、開催!

1924年10月。アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表。

ここに20世紀最大の芸術運動がはじまる。

それから100年。

その運動は、文学、絵画、映画、音楽、思想など広範な領域に影響を及ぼし、

その本質は今の時代にも受け継がれている。

シュルレアリスムとはいったい何か?その深遠なる世界を紐解く―

 

【シュルレアリスム100年映画祭】公式ウェブサイト

https://trenova.jp/surrealism100/

 

前回の記事キュビスムから倉俣史朗へ―アートとデザインはすべて繋がっていく―<キュビスムの影響から同時代にアメリカやヨーロッパ各国でシュルレアリスム(マン・レイ、サルバドール・ダリ、マグリット、デ・キリコ)、ダダイスムへも繋がっていく。>と書いたのですが、タイムリーにもこの秋、【シュルレアリスム100年映画祭】(日本未公開作品含む)が公開されます!!!

文学、美術、思想、音楽、映像など、様々に広がっていったシュルレアリスム運動の影響を学ぶための貴重な機会。もう二度と観られない可能性も大きいので、上映期間をチェックして全映画を網羅したく思います。京都では出町座にて2024年12月6日(金)より上映!(スケジュールは出町座のウェブサイトでご確認ください。)

キュビスムから倉俣史朗へ ―アートとデザインはすべて繋がっていく―

みなさん???って感じですか?

キュビスムから倉俣史朗へ ―アートとデザインはすべて繋がっていく―

最近観た展覧会、映画などから、すべてが繋がっていることを再認識したのです。これが調べれば調べるほど奥深く、めちゃくちゃ楽しくて、何時間でも時間を費やして考えてしまうのです。あ〜、楽し!その見解は下記に述べます。ご理解いただけたらうれしいのですけれど。

 

キュビズム展のレポートはこちら→(*後日公開)

倉俣展のレポートはこちら→(*後日公開)

 

まず、キュビズムってなあに???から知っていきましょう。

キュビスム展 解説動画まとめ

YouTubeチャンネル【山田五郎 オトナの教養講座】

西洋・日本問わず、芸術、伝統工芸、建築など多分野のことについて、誰にでもわかりやすく解説してくださっているので、とても勉強になる。歴史的にどんな人、事、時代背景が結びついていくのか、とてもよく理解できる。

キュビスム展の最後の国内巡回地である京都での展覧会も202477日に閉幕したので、まずは期間限定公開とされている、下記「キュビスム展」に関する動画を、急ぎご鑑賞されるとよきかと思います!!!

 

【キュビスムって何?】始まりはピカソじゃなかった!?「キュビスム展」コラボ企画

https://www.youtube.com/watch?v=NC34DrUmPrI

ピカソ超えの超重要画家たち【シャガール!コルビュジエ!ドローネー!】キュビスムを広めたのはこいつらだ!!山田五郎徹底解説【キュビスム展コラボ企画・期間限定公開】

https://www.youtube.com/watch?v=Suc4nBnEkiE&t=24s

 

そして、キュビスムの祖のひとりである、ピカソの詳しい解説動画もぜひご覧ください!著作権の関係でいつ観られなくなるかわからないそうなので、ぜひお早めに。

なぜピカソはあんな「わけのわからない絵」を描いたの?下手なの?【皆様の浄財で実現!※もしや1年限定公開!?】

https://www.youtube.com/watch?v=mp43uv6XzW0



セザンヌから生まれるキュビスムの契機、キュビスムのグループのひとつである《画廊派=モンマルトル派》であるブラックとピカソの関係。

もうひとつのグループである《ピュトー派=モンパルナス派=サロン派》からドローネーとレジェ。こちらのグループがキュビスムを世界へと広めていく。第一次世界大戦後、ドローネーはキュビスムから抽象絵画へ進んでいく。そして交流のあったマルセル・デュシャンがキュビスムから「現代美術」へ、コルビュジエの絵画の「ビュリスム」から建築の「モダニズム」が生まれることへと繋がっていく。モダニズム建築の空間に飾る絵は「キュビスム」や「ビュリスム」の絵が似合う、そこからコルビュジエは絵画を描くことにハマっていく

ね、ね、動画をご覧になった方は理解できましたでしょ?キュビスム=訳のわかんないおかしな絵、ではないということが。キュビスムがあって、現代美術へ、モダニズム(建築)へと繋がっていくことが。逆にキュビスム以前の過去の時代を遡れば、モダニズムの前にアール・デコ(建築・インテリア・工芸)、その前にアール・ヌーボー(建築・インテリア・工芸)があって、ジャポニスムがあって(モネ、ドガ、ゴッホなど画家に影響/ウィリアム・モリスなど産業デザイン「アーツ・アンド・クラフツ運動」にも影響)と、どんどん繋がっていくんですよ。

他にキュビスムの影響から同時代にアメリカやヨーロッパ各国でシュルレアリスム(マン・レイ、サルバドール・ダリ、マグリット、デ・キリコ)、ダダイスムへも繋がっていく。こちらはメキシコの画家/フリーダ・カーロの映画「フリーダ-~愛と痛みを生きた肖像~」をご覧くだされば、チラッとこの時代の芸術の繋がりがわかるかと思います。

シュルレアリスム、ダダイスムを知ると、現代美術のネオダダ(田中信太郎、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之、篠原有司男(ギューちゃん))にも繋がっていく。

ネオダダは日本で吉原治良を中心とする具体美術協会へと繋がっていく。ネオダダと具体は倉俣史朗へ、関西では具体が野井成正へ大きく影響していく。

キュビスム(ドローネー)があって、イタリア未来派、抽象絵画(カンディンスキー)、デ・ステイル(モンドリアン)などがあって、イタリアポストモダンがあって、メンフィスがあって、日本のインテリアデザイナーの祖である境沢孝(メンフィスより早い時代からポストモダンデザインを扇動)、倉俣史朗と内田繁へ繋がっていく。

マルセル・デュシャンから「現代美術」が開花していき、ミニマリズムでドナルド・ジャッドが生まれ、倉俣史朗のインテリアへ繋がっていく。内田繁へも繋がっていく。

ジャポニスムは日本画、浮世絵、日本の伝統工芸(特に漆・陶芸・着物)に繋がっていくし、この日本美術の系譜を知ることで、村上隆(ネオポップ)にも繋がっていく。ジャポニスムがあって、アイリーン・グレイ(モダンインテリアデザインの祖)へ、コルビュジエへ、シャルロット・ペリアンへと繋がっていく。そして日本の建築では前川國男、坂倉準三へ、日本の伝統工芸では河井寛次郎、柳宗理らの民藝運動へと繋がっていく。美術絵画ではゴッホ、ドガ、ルノワール、モネ、クリムト、ロートレックなど、多くの画家に多大な影響を与えていく。

ね、ね、楽しいでしょ!美術の歴史を知れば、建築・インテリアデザインの歴史にも繋がっていくし、知れば知るほどおもしろいですよね。日本美術(特に江戸時代中期以降)も工芸も現代美術も、好き嫌いではなく、すべてを知っていくことがどんなに楽しい&大切なことか。ぜーんぶ、まるっと繋がっているんです。みなさん、興味を持たれた各分野の詳細なことは、各自でどんどん探求していってくださいね!私ももっと調べて勉強していきます。

これでキュビスムから倉俣史朗へ ―アートとデザインはすべて繋がっていく―って、おかわりになりまして?

私が最近会う人みんなに「現在開催中の倉俣展とキュビスム展は絶対に観ておくべき!!!キュビスム展、絶対観てね!」って力説していたことを。キュビスム展は終わっちゃいましたけれど、上記動画で少しでもご理解を深めていただけましたら幸いです。

 

さて、ピカソの薔薇の時代など、キュビスム以外の他の作品が気になりますよね?

こちらの動画が簡単にわかりやすく学べますので、お時間がある時にどーぞ!

YouTubeチャンネル【フランスガイド中村 / France Guide Nakamura】

【美術館散歩】ピカソ美術館 没後50年!色彩の魔術師による特別展

https://www.youtube.com/watch?v=hhfavqOCMIk

【ART】東京・2024 夏の展覧会情報

他の記事と重なる展覧会もありますが、2024年夏に観たい東京の展覧会情報まとめです。

「大成建設 コレクションもうひとりのル・コルビュジエ~絵画をめぐって」

会期:2024年6月25日(火)~8月12日(月・休)

時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)金曜日は19:00まで(入館は18:30まで)

休館:月曜日(休日の場合は翌火曜日)

会場:大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3)

料金:一般1500円 大学生・高校生1000円

https://www.shukokan.org/exhibition/

 

「魚谷繁礼展 都市を編む」

会期:2024年5月23日(木)~8月4日(日)

時間:11:00~18:00

休館:月曜日・祝日

会場:ギャラリー間

料金:無料

https://jp.toto.com/gallerma/ex240523/index.htm

 

「カルダー:そよぐ、感じる、日本」

会期:2024年5月30日(木)〜2024年9月6日(金)

時間:月火水木日10:00~18:00/金土曜祝前日 10時~19時(最終入館は30分前まで)

休館:6月4日(火)、7月2日(火)、8月6日(火)

会場:麻布台ヒルズ ギャラリー

   東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階

料金:一般1300円 大学生・高校生1000円

https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/calder-ex/

 

■「髙田賢三 夢をかける」

会期:2024年7月6日(土)〜 9月16日(月祝)

時間:11:00〜 19:00(入場は18:30まで)

休館:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(日)(全館休館日)

場所:東京オペラシティ アートギャラリー

料金:一般1400円 / 大・高生800円

https://www.operacity.jp/ag/exh276/

 

織田コレクション

 「北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム 時代を超えたミニマリズム」

会期:2024年6月29日(土)〜 9月16日(月祝)

   *7月20日(土)以降、土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約(平日は予約不要)

時間:10:00~18:00

   (7/5、8/2、9/6、9/13、9/14は20時まで開館、入館は閉館の30分前まで)

休館:水曜日(9/11は開館)、8/13〜8/16

会場:パナソニック汐留美術館

料金:一般1200円 大学生・高校生700円

https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/24/240629/

 

■「島袋道浩 音楽が聞こえてきた」

島袋道浩くん、高校の同級生で、高校生時代からおもしろい人でした。高校卒業後もたまに街中で会えば歓談したりしてたのに、近年はあれよあれよという間に世界的アーティストに。久しぶりの日本国内での大きな展覧会。横浜だけど、観に行きたい!

会期:2024年7月4日(木)~9月23日(月祝)

時間:11:00~19:00(入館は閉館の30分前まで)

休館:月曜日(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日はオープン、翌日火曜日休み) 

会場:BankART Station

   神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅B1F

料金:一般1000円 大学生・高校生500円

https://www.bankart1929.com/shimabuku/index.html

 

■「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」

会期:2024年06月25日~09月23日

時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館:月曜日(7/15、8/12、9/16、9/23は開館)、7/16、8/13、9/17

会場:東京国立博物館

料金:一般1500円 大学生・高校生1000円

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2637

連携企画

本展はエルメス財団と共同で企画。展覧会は以下の同作家個展へと続き、再び当館へと続く構成。

「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」

会期:2024年9月7日(土)~2025年1月13日(月・祝)

会場:銀座メゾンエルメス フォーラム