■ 「杉本博司 趣味と芸術─味占郷(みせんきょう)」展

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杉本博司は、代表作<ジオラマ>、<劇場>、<海景>といった写真シリーズで世界的に知られる現代作家です。一方で、古美術商の経験を持ち、日本美術にも大変造詣が深く、三十三間堂の千体仏を写した<仏の海>をはじめとする日本の伝統美を自身の写真に取り入れる作品も手掛けています。さらには、2003年より世界各地を巡回した展覧会「歴史の歴史」において、自らコレクションした古美術品と自作を組み合わせたインスタレーションも試みています。まさに、現代美術の世界で古きものに新たな生命を注ぎ続けている作家と言えるでしょう。

本展「趣味と芸術」では、平安時代から江戸時代の作品を中心に、西洋伝来の作品、昭和の珍品を含む杉本コレクションで27の床※ のしつらえを作りあげています。これは『婦人画報』で連載された「謎の割烹 味占郷」の中で、杉本が各界の著名人をもてなすために、毎回そのゲストにふさわしい掛軸と置物を選んで構成した床飾りを再現したものです。同時に、「趣味」として収集した古今の名品・珍品を組み合わることで、新たな「芸術」をも生み出そうとしています。現代美術の枠を超え、活動を続ける現在の杉本をご覧いただき、この作家の魅力と奥行を十分に味わっていただければと思います。

会期:2016年4月16日(土)〜2016年6月19日(日)
時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金:一般1200円 学生1000円
場所:細見美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
URL:http://www.emuseum.or.jp/exhibition/ex047/index.html

 

 

■「森村泰昌 自画像の美術史─「私」と「わたし」が出会うとき─」展

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公式サイト http://morimura2016.com/

国立国際美術館では、日本の現代美術を代表する美術家・森村泰昌の地元・大阪の美術館では初となる大規模個展を開催します。全編60分を超える、森村としては初めての長編映像作品を含む50点の新作、未発表作と、過去の代表作あわせて134点で構成します。
110余点におよぶセルフ・ポートレイト作品に加え、幼少時からのポートレイトも紹介。美術史に触れるまでの森村の個人史(=「わたし」)と、自らが登場することによって批評性をともないながら獲得した美術史(=「私」)がクロスオーバーし、極めて回顧的に美術家・森村泰昌を概観する展覧会となることでしょう。

会期:2016年4月5日(火)〜2016年6月19日(日)
時間:9:00〜17:00(金曜日は19:00まで/入館は閉館の30分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金:一般1300円 学生900円
場所:国立国際美術館 大阪市北区中之島4-2-55
URL:http://www.nmao.go.jp/

 

*同時開催:「田中一光ポスター」展

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http://www.nmao.go.jp/exhibition/exhibition_b2.html

会期:2016年4月5日(火)〜2016年6月19日(日)
料金:一般430円 学生130円

 

 

■ 「スイスデザイン」展

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2014年の日本とスイスの国交樹立150年にあわせて企画された本展は、近代デザインの草創期から、その開花を迎える20世紀中葉、そして多様な価値観とアイデアの展開する現在まで、世界に向けて発信されたさまざまなデザインを紹介します。鉄道や航空など「観光」におけるデザイン、そして時計や靴、家具やファブリックなど多様な領域におよぶ各ブランドの取り組み、その歴史と背景、思想とコンセプトは、スイスのデザイン文化の豊かさを身近なところから語ります。ル・コルビュジエ(1887-1965)とマックス・ビル(1908-1994)の二人の巨匠の仕事は、スイスデザインの合理性と普遍性を考える手がかりとなるはずです。そして近年のスイスデザインアワード受賞者たちの先端的な作品は、私たちの生活とデザインの未来を感じさせてくれるでしょう。
知られざるデザイン大国スイスの全貌を紹介する、日本で初めての試みにご期待ください。

会期:2016年4月2日(土)〜2016年5月29日(日)
時間:10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:水曜日(5/4開館、5/6休館)
料金:一般800円 学生600円
場所:西宮市大谷記念美術館 兵庫県西宮市中浜町4番38号
URL:http://otanimuseum.jp/home/exhi/swiss16/swiss16.html

 

 

■ 「近代大阪 職人アルチザン図鑑 ─ものづくりのものがたり─」展

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明治維新以後の工芸界は東京を中心に発展を遂げ、国内外で高い評価を受けるようになります。しかしその一方、中央から離れた大阪での作り手や作品の中には、十分に世に知られないままのものが少なくありません。
平成28年は、大阪歴史博物館が開館してから15年となります。その間にも数多くの大阪の職人“アルチザン”の存在や作品が明らかになりました。これらは当館の前身たる大阪市立博物館の40年に大阪歴史博物館での15年を加えた、55年間の調査・収集の積み重ねによるものです。
本展覧会では、これまでの当館活動の中で見いだされた初公開作品を含む「忘れられた大阪の工芸」約170件を展示します。その中には美術か美術でないか、その区分にとらわれない「博物館」ならではの展示作品も少なくありません。そのような大阪の職人“アルチザン”が残した作品を通じ、大阪の近代工芸の知られざる魅力をご紹介します。

会期:2016年4月29日(金・祝)〜2016年6月20日(月)
時間:9:30〜17:00(金曜日は20:00まで/入館は閉館の30分前まで)
休日:火曜日
料金:1000円 学生700円
場所:大阪歴史博物館 大阪市中央区大手前4丁目1-32
URL:http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2016/artisan.html

 

 

■ 春季特別展「丹波の民藝(みんげい)─陶磁と染織─」展

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本特別展では、兵庫県丹波地域で、生みだされた丹波焼と丹波布を展示します。
六古窯の一つである丹波焼は、民藝運動の創始者・柳宗悦(1889-1961)が、晩年に力を注いで蒐集した陶磁器です。特に柳は著書『丹波の古陶』(1956年刊)のなかで、窯の中で灰が降りかかって偶然生まれる自然釉の陶磁器に、人智を超えた美を見出し高く評価しました。
丹波布は、草木で染めた手紡ぎの糸による、手織りの木綿布です。「つまみ糸」と呼ばれる絹の屑糸を、間隔をあけて緯(よこ)糸に織り込むことで、独特の風合いが生まれます。元々、佐治木綿と呼ばれ布団地等として地元で親しく用いられてきた縞柄の布を、柳は丹波布と呼び賞賛しました。
今回は、当館所蔵の丹波焼、丹波布と共に、丹波立杭で作陶を行った生田和孝(1927-1982)の陶芸作品を、併せて約90点展示します。さらに、兵庫陶芸美術館所蔵の丹波焼や、丹波布の復興に尽力した足立康子(1925-2014)の丹波布の作品もご覧いただけます。

会期:2016年3月5日(土)〜2016年7月18日(月・祝)
時間:10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:水曜日
料金:一般700円 学生450円
場所:大阪日本民芸館 
   大阪府吹田市千里万博公園10-5 千里・万博公園内
URL:http://www.mingeikan-osaka.or.jp/

 

◇記念講演会◇
「民芸運動と関西」
講師:藤田治彦氏(大阪大学大学院文学研究科教授)
日時:6月26日(日)13:30〜15:00(13:00開場)
会場:国立民族学博物館・第5セミナー室(大阪日本民芸館向かい)
定員:100名(※要予約)
聴講料:300円(民芸館入館料が別途必要)

「丹波布の魅力」
講師:小野絢子(大阪日本民芸館学芸員)
日時:7月10日(日)14:00〜15:30(13:30開場)
会場:大阪日本民芸館・会議室
定員:20名(※要予約)
聴講料:300円(民芸館入館料が別途必要)