2017.02.26. 京都造形芸術大学 卒業作品展01
今年も着物で、京都造形芸術大学の卒業作品展に行ってまいりました。
まずは、自家焙煎珈琲 ヴェルディ京都造形芸大店(デザイン:辻村久信デザイン事務所)でランチ。本日のカレー、日替わりプレート、ブレンドコーヒーを。
この日は、環境デザイン学科/辻村・ヤギゼミの講評会ツアーに参加。作品を出品している4年生、それを見に来られた親御さん、卒業生、客員教授の先生方など、30人ほどの大所帯で、展示作品を見て回ります。
人間館1Fカフェ横に展示している作品からスタート。4年生の学生さんが自分の作品について、皆の前で5分程度プレゼンし、先生方や卒業生がコメントという流れです。
■ 環境デザイン学科/辻村ヤギゼミ
滋賀県の道の駅を考えた作品。琵琶湖周辺の山並みを模した天井がダイナミック。
食べる料理の重さによって、天板形状が変わるテーブル。今までにないアートインスタレーション。
枯山水の石庭のように並べられた半円形オブジェ(スツール)作品。実は座ってみると、それぞれの形状・柔軟性の違いを感じられる体験型作品。(しかーし「椅子だよ、座っていいよ、体験してね」とか周辺に何も書いていないので、誰も座らない….爆)
ハンモックカフェ。うーん、可愛いけど、普通。実際にすでにこういうお店があるので、もっと夢を膨らませて欲しい。
体内の内部や繭を思わせる、球体の座るためのオブジェ作品。構造はチープなんだけど、暗い空間の中、光のインスタレーションで美しさを演出。
影絵を空間演出に用いる、体験型レストランの作品。精巧に仕上がった模型、映像まで添えたプレゼン手法、縮尺1/1のインスタレーションまで、とてもよくできていました。ただ、『なぜそのお店が必要なのか?』『なぜその区画設定なのか?』という、コンセプトの根本が無いのが残念。
■ 環境デザイン学科/その他のゼミ
京都京北の北山杉を使った、スツール&インテリア小物の作品。丸太輪切りをそのまま使用し、北山杉の美しさにハッとさせられる。強度、重さ、構造、スタッキングできるなど、とてもよくできています。これは後日、購入します!同時に京北林業に関わる建築作品も提案してあったのですが、それはどうでもよくて、この家具が素晴らしかった!
元田中地区の古い住宅地を、あぜ道を使って住宅地を新しく造成する街開発提案作品。元田中地区は実際に空き家や空き地が増えてきている現状を、よく調査、検証し、そして提案の結果へと導き出している、優秀な作品。屋台形式で設置されたブースも、調査・検証をまとめたプレゼンボードも、模型も全てがよくできている作品。「あぜ道を使った街の風景が、映画『この世界の片隅に』に出てきた呉の街の山手によく似ているねぇ」と伝えたら、なんとご本人呉市の出身だそうで、びっくり。(私が学長賞あげるんだったら、この作品だな)
■ 勝野賞
総評が終わり、今年の勝野賞(毎年独断と偏見でこっそり出している賞/笑いの要素必須)に選んだのは…辻村ヤギゼミ/植松さんの「たまごのかたち」です!!!
これね、置いているだけで自然と子供達が遊びに来て、自然にこのたまごを使って遊んでいるの。何も考えずに座ったり、ひっくり返したり、たまごの黄身を出して中に入ってみたり。白身の部分も360度柔軟な素材で出来ているので、投げてもぶつかっても安全。
プレゼンの映像でも、実際に子供達に遊んでもらい、その映像でどのような結果が得られるかも、しっかり調査・検証されているのがわかります。
「たまご」の発想からスタートし、「たまご」を100%完成しきった、「バカ」を最大限活かした、完璧な仕上がり。勝野賞決定であります!!!
彼女はアトリエ系デザイン事務所ではなく、オフィスデザイン設計会社のデザイナーとして就職が決まっています。この発想力を活かして、楽しいオフィスのデザインをしてくれることでしょう。将来が楽しみです!
そして、卒展は続く… ●△■
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