2017.03.20. 伝統工芸のこれから 西陣織
先日twitterで、ある西陣織の職人さんの小さなつぶやきが、なぜか大々的にリツイート・拡散されまくり、ニュース報道にまで出てしまうという現象がありました。このことで関係者の皆様は、有る事無い事、様々な物言いにも真摯にご対応され、大変だったかと思います。
この現象が起きたことで、良い悪いを含め、現在の日本の伝統工芸の一端で起きている、明らかな問題点がクローズアップされ、世間に知られることとなりました。
西陣織の賃金設定の問題、流通の問題、様々な条件が絡み合って起きている問題点で、今後改善してゆかねば西陣織の技術継承が難しくなっていく、というこの現状は事実なのです。
しかし、確かに事実のひとつではあるのですが、西陣織のすべてがそうではないことをお伝えしたいです。若手職人さんの正規雇用・育成を続けていらっしゃる企業もおありです。西陣織の海外進出を踏まえ、インテリアファブリックやファッションファブリックとしての開発を進化させていらっしゃる企業もおありです。小さな工房で、新しい西陣織のあり方を提案し、がんばっていらっしゃる職人さんもおられます。
着物好きが高じ着物業界の隅っこに関わる自分でも、西陣織のすべての企業・工房・職人さんの現状を知っているわけではありません。知らないことも、たくさんあります。
ただ、個人的な思いとしては、西陣織は無くなっては大変困ります!!!西陣織の技術を、後世まで残したいです!!!
西陣織だけではなく、型染友禅も、注染も、絞りも、江戸小紋も、着物業界以外のあらゆる伝統工芸の分野でも技術継承問題が各地であるのは事実です。
現状の問題点を洗い出し、関係者の皆様で協力し合いながら、少しずつでも技術継承していけるようにしたいですね。個人では微力ながら、着物関係のいろいろな事象に注視し、勉強に勤しみたいと思います。
西陣織がんばれ!という思いを込めて、柳の芽吹きのお写真を添えて。