2014.01.04. 初春文楽公演@国立文楽劇場へ
大阪・粉浜の呉服店「こころや」さんの企画「初春文楽ツアー」で、お着物好きのみなさまと一緒に新春文楽へ着物で行って参りました。文楽の観劇以外に、文楽の舞台裏ツアーまたは人形遣による文楽人形の説明会か、どちらかのオプションが付く特別ツアー。配役が発表され、第2部に桐竹勘十郎さんが出られるということで、1/4第2部のツアーに参加予約し、昨年からヤギ共々とても楽しみにしていました。
文楽劇場入り口には大きな門松。
劇場一階ロビーの端っこには浄瑠璃人形仕様の食い倒れ人形「くいだおれ太郎」も。本物よりも幾分顔がちっちゃいかも。一度動くところが観てみたいもんです。
私達が参加させていただいたこの日は、人形遣い・桐竹勘十郎(人間国宝)さんによる文楽人形の説明会付きでした!!!もうすごいのですよ!さすが人間国宝!以前拝見したことがある若い人形遣いの方の操り方と歴然と違うのです! お人形が少し首を傾げるだけ、右手を動かすだけでも感情表現が見て取れ、お人形は生きている!と瞬時に思えるのです。
人形遣いは、人形本体を持ちながら顔と右手を動す顔出しの主遣いと、左手の担当の左遣い、両足を担当する足遣いの三位一体で構成されます。3人がうまく動くために何かしているのかというと、主遣いの人形の動かし方で無言の合図(指令)が出ていると言うのです。それを説明&実演してくださいましたが、素人目には合図が出ている時と出ていない時の違いは全く分かりませんでした。とっても難しい人形遣い、才能と努力で10年20年と研鑽を積めばできるようになるのでしょうか。すばらしい芸術です。たくさんの後継者が育ってほしいものです。
説明会後にいよいよ長丁場の文楽観劇です。会場内舞台緞帳上にはにらみ鯛と今年の絵馬。
第2部の演目
・面売り めんうり
・近頃河原の達引 ちかごろかわらのたてひき
四条河原の段/堀川猿廻しの段
・壇浦兜軍記 だんのうらかぶとぐんき
阿古屋琴責の段
「近頃河原の達引/四条河原の段」は鴨川・四条河原の描かれた舞台セットが、とてもシンプルで印象に残りました。背面幕に描かれた昔の京町家の連なる風景に、セットは柳の木が1本だけ。舞台演出の勉強になるわー。
「壇浦兜軍記/阿古屋琴責の段」では花魁・阿古屋の人形(衣装・髪飾りなど含めたら10Kg以上あるらしい)を、勘十郎さんが主遣いで操る。阿古屋が琴、三味線、胡弓(三曲)を弾く場面では、三味線弾きのお一人が実際に琴、三味線、胡弓を演奏し、その演奏にぴったり合わせてお人形の阿古屋がまるで実際に奏でているようにミニチュアの琴、三味線、胡弓を弾くのです。阿古屋の絢爛豪華な衣装もすばらしいですが、その演奏姿のすごさ、勘十郎さんの技術の素晴らしさに感服。
観劇後はみなさまと近くの「焼きとんya たゆたゆ」で新年会!木造店舗付き住宅(屋上3階部分はあきらかに違法増築!)を改装したワイルドなお店。2階をほぼ貸し切り状態で。会費お安いのに、食べきれないくらい豚肉のお料理が出てくる出てくる。新しい着物お友達のご縁もでき、とても楽しい新年会でした。
周辺はとーってもディープな千日前・日本橋界隈。奧の方には今では珍しいキャバレーがあったりするの、ステキ。着物では行きにくいお店が多いんだろうけど、一度ゆっくり散策してみたいなー。キャバレーにもね、内装屋としては一回行ってみたいんだよね。「着物でキャバレー」誰か一緒に行ってくれるっていう奇特な有志いらっしゃらないかしら?
こころやさん企画の初春文楽ツアー、とてもとても楽しい一日でした!ご準備してくださったこころやさんにこの場を借りまして、御礼申し上げます!今後も楽しい文楽ツアーが企画されると思いますので、ぜひみなさまもお運びください。