2014.09.07. 京都の旧花街・島原へ
京都では、 2014.京の夏の旅 特別公開中ということで、まだ観たことがなかった京都の最後の花街・島原へ、着物で見学に行ってきました。
【 2014. 京の夏の旅 】
期間:2014年7月12日(土)〜9月30日(火)
*公開場所により期間が異なるためご注意ください。
時間:10:00〜16:00(受付終了)*輪違屋は15:30受付終了
料金:一箇所 大人600円 小学生300円
お問合せ:京都市観光協会 TEL:075-752-7070(9:00〜17:00)
https://www.kyokanko.or.jp/natsu2014/natsutabi14_01.html
JR丹波口駅から徒歩5分程の現在はほとんど住宅地となってしまった、旧花街・島原。現在では、島原大門、唯一の揚屋・ 角屋(すみや) 、唯一の置屋・ 輪違屋(わちがいや) のみが現存するだけとなっています。
■輪違屋(置屋)
まずは受付終了時間が早い置屋・ 輪違屋 へ。元禄年間(1688~1704)の創業以来320年以上も営業を続ける、島原に現存する唯一の置屋で、今でも日本で唯一残る太夫さんが現存されている生きた建築。写真撮影は一階のみ。
輪違屋 といえば、今年4月に放送されたNHKの番組『SONGS“石川さゆり 椎名林檎を歌う ~花の京都 芸の心にふれる~”』で、実際に 輪違屋 の現役の太夫さんと「傘の間」が放送されたことが記憶に蘇ります。太夫さんも、石川さゆりさんの着物コーディネートも素敵だったな〜。
輪違屋 の名の基に、輪っかがふたつ交わったマークが印象的で、看板や郵便受け、建具や小道具にまで。
一階のいろいろ。
二階にある、太夫さんがお客様の接待に使うお部屋の、有名な襖に道中傘を貼りこんだ「傘の間」、壁に紅葉を塗りこんで紅葉をかたどった「紅葉の間」。今回は特別に見学はできたのですが、撮影は不可で残念。
エントランスの看板の写真をアップで撮影した「傘の間」。
写真ではわかりませんが、「傘の間」は二面それぞれ四枚建襖に銀箔のベースを貼り、その上に道中傘を二枚ずつ貼りこんであります。床の間の方には床柱で松竹梅の遊びが入れてあったりします。図太く、強さのあるカッコいい空間です。
「紅葉の間」は、黄土色の土壁一面に、紅葉型がぱらぱらと散らした間合いで掘込んであって、紅葉型の掘込みにはひとつひとつ、緑色、オレンジ色、黄色と色が微妙に塗り分けてあるんです。可愛くて、上品かつ、粋(すい)な空間。
love the life のデザインの好みでは、「紅葉の間」が断然好みです!こんなんどこかのお店で作りたい!
実際に 輪違屋 を見学してみて感じたことは、思った以上に空間が小さい!
お着物や髪飾りで着飾ったインパクトのある太夫さんと、ほんとに至近距離でお会いできる空間なんですね。太夫さんの横には、今でも禿(かむろ/童女)さんがお付きになるそうです。ここで蝋燭の灯だけを灯しながら、音楽を奏でたり、舞いを拝見したり、和歌のやり取りをして遊んだり、う〜ん、とっても風情があって贅沢!
京都・島原 − 輪違屋(置屋)の写真はこちら → ☆
輪違屋 は現在も営業されているため、一切見学できないのです。次に特別公開があるとすれば、数年後〜数十年後でしょうか。今回見学できたのはとても貴重な機会でした!!!
輪違屋 の見学は 9月30日(火)まで可能 ですので、ぜひぜひ観に行ってみてくださいね。
■角屋(揚屋)
そして、旧花街・島原開設当初から残る揚屋(あげや)建築の唯一の遺構(重要文化財)の 角屋 へ。
こちらは江戸期の文化サロン・饗宴のための施設で、置屋ではないので太夫さんはかかえず、料亭として営業しているお店です。饗宴を催す時には、置屋さんから太夫さんをお呼びになったそうです。その太夫道中は独特で、至近距離でもお越しになるまで40分かかったそうな。(一度ほんまもんを観てみたい)
とにかく 角屋 は大きいの何の!通りの角から間口100Mはあるでしょうか。
格式のあるベンガラ塗りの紅色の壁が華やかな玄関。
料亭ということで、大宴会にも対応できる巨大なお台所!
お客様は、太夫さんと遊べる教養に優れた方々、お公家様、上級の武士、文化人まで幅広く。大きな宴会が催されたであろう空間は、格式高く華やかでした!
「網代の間」
「松の間」
京都・島原 − 角屋 (揚屋)の写真はこちら → ☆
角屋 の見学は9月14日(日)で終了しましたが、9月15日(月・祝)〜12月15日(月)は 角屋もてなしの文化美術館 として通常公開(月曜休館、祝日の場合翌日休館、料金は高くなります)されていますので、夏の特別公開を逃した方は秋にまた訪れてみてください。一階部分はいつでも写真撮影も可能です。
今回、二階座敷は見学(通常公開時も要予約/撮影不可)できなかったので、後日あらためて人数募って 見学会の企画 をたてたいと思います!勝野屋blogまたはFacebookにてイベント告知いたしますね。12月15日(月)までの通常公開期間中に行くぞ!
■島原大門
最後に夕暮れの島原大門へ。柳が残り、唯一ここだけに花街の面影が残ります。大門以外は四方八方、ごくふつうの住宅地で、ほとんど現代住宅に建て変わっており、京町家はわずかのみ。寂しいな。
次へ続きます…★★★