新年が明けまして、もう六日目。明日は七草粥の日ですね。みなさまご家族とお友達と、素敵なお正月を過ごされたことと思います。

2016年もすばらしい展覧会の数々が開催されます。ご都合をつけて、ぜひお着物で訪れてみましょう!

 

■ 新春特集陳列「さるづくし―干支を愛でる─」展

saruzukushi_guide_2016
2016年の干支は申(さる)。これにちなんで、年末から新春にかけての京都国立博物館では、猿を描いた絵画や、猿をモチーフにした工芸品をご紹介します。
ニホンザルは、古くより日本人にとって身近な動物でした。そのため、さまざまな文化と深い関わりをもち、多くの作品にその姿が表されてきました。江戸時代には、伊藤若冲、曾我蕭白、長澤蘆雪といった錚々(そうそう)たる絵師が個性豊かな猿を描いています。とくに今回の展示では、生命感あふれる猿の姿を描き出し名手と謳われた森狙仙(そせん)の作品もご覧いただけます。さらに、日本では見ることが難しかったテナガザルのほほえましい姿を描いた中世水墨画の名品や、物語に猿が登場する絵巻物、斬新なデザインの根付などが一堂に会します。日本や中国において親しまれてきた猿の多彩なイメージをぜひお楽しみください。

 

会期:2015年12月15日(火)〜2016年1月24日(日)
時間:9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金:一般520円 学生260円
場所:京都国立博物館・平成知新館 京都市東山区茶屋町527
URL:http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2015_monkey.html

*同時開催「獅子と狛犬」展(12/15〜3/13)、「刀剣を楽しむ―名物刀を中心に―」(12/15〜2/21)、「皇室ゆかりの名宝」展(1/26〜2/21)も合わせて、ぜひご一緒に。

 

 

■ 琳派400年記念

「─琳派降臨─近世・近代・現代の「琳派コード」を巡って」展

kyotoMM
桃山時代後期に京都に誕生する「琳派」は,その後各時代の美術や工芸の中で,降臨するかのごとく新たな継承と創造を繰り返してきた。日本人の美意識のDNAに組み込まれた琳派の美のコードを探りながら,本展覧会は近世・近代・現代における「琳派コード」を,「自然」「都市」「抽象」の観点から考える。

 

会期:2016年1月14日(木)〜2016年2月14日(日)
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金:一般1000円 学生600円
場所:京都市美術館 京都市左京区岡崎円勝寺町124
URL:http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/kmma/exhibition/2015fiscal_rinpa400.html

 

 

■ 清水三年坂美術館コレクション

 「細密美!明治のやきもの~幻の京薩摩~」展

A4_omote_shuseiのコピー
かつて京都で「京薩摩」という焼き物が作られていたことをご存じでしょうか。
「京薩摩」はその名の通り、鹿児島で作られ海外で人気を博した本薩摩の流れを汲むもので、当時、明治政府の輸出用製品の花形でした。幕末の頃から既に薩摩焼は他の日本の工芸品に先駆けて盛んに海外輸出が行われており、明治に入ると東京や横浜、大阪をはじめ神戸でも薩摩焼の様式を取り入れた輸出用の焼物が盛んに作られるようになりました。そのなかでも、京都・三条粟田口の窯で焼き上げられた京薩摩は、一時は本薩摩の生産量を超えるほど製作され、繊細で雅やかな美しさで欧米の人々を魅了しました。

この展覧会では、清水三年坂美術館所蔵の数ある珠玉の作品の中から、日本特有の繊細で豪華な装飾がほどこされた薩摩焼に注目し、さまざまな地域で製作された薩摩焼をご紹介。同時に、独自の様式を展開した京薩摩の魅力に迫ります。
明治時代、わずか数十年の間だけ作陶された幻の京薩摩。「美」と「技」が凝縮された絢爛豪華な世界をお楽しみください。

 

会期:2016年1月2日(土)〜2016年1月31日(日)
時間:10:00〜20:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:会期中無休
料金:一般900円 学生700円
場所:美術館「えき」KYOTO ジェイアール京都伊勢丹7F
   京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
URL:http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_1601.html

 

 

■ 文化勲章受章記念「志村ふくみ ―母衣(ぼろ)への回帰―」展

shimura-fukumi
草木からの自然染料で染められた糸によって織りあげられた作品は、多くの人を魅了し、国際的にも高く評価されています。「民衆の知恵の結晶である紬の創作を通して、自然との共生という人間にとって根源的な価値観を思索し続ける芸術家」として、平成26年(2014)に第30回京都賞(思想・芸術部門)を受賞し、平成27年(2015)には文化勲章を受章しました。
このたびの展覧会では、代表作を中心に、初期の作品から最新作までを一堂に展示することで、60年におよぶ創作の歩みを紹介するとともに、志村ふくみの魅力とその芸術の核心に迫ります。

 

会期:2016年2月2日(火)〜2016年3月21日(月・祝)
時間:9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)*ただし、3月21日は開館、翌日休館。
料金:一般900円 学生500円
場所:京都国立近代美術館 京都市左京区岡崎円勝寺町
URL:http://www.momak.go.jp/
   http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2015/411.html

*講演会は2月13日(土)、3月6日(日)に予定されています。会期中ワークショップもたくさん予定されています。詳細、お申込みは、こちらのウェブサイト にて。

 

 

■ 「春画」展

syunga01

春画は江戸時代には笑い絵とも呼ばれ、性的な事柄と笑いが同居したユーモラスで芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画の総称です。特に、19世紀末ジャポニスム時代以降、欧米では高い評価を得てきました。近年では、2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された「春画 日本美術の性と楽しみ」展が大きな話題を呼びました。
このたび、東京の永青文庫で開催されている日本初の「春画展」が京都に巡回する運びとなりました。デンマークのコレクターをはじめ、日本の美術館・研究所や個人が秘蔵する鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎といった浮世絵の大家たちによる「春画の名品」が勢ぞろいします。

さらに、京都の西川祐信や大坂の月岡雪鼎の作品を通して、上方ならではの春画の魅力にも迫ります。狩野派や土佐派・住吉派と春画との関係をさぐり、大名から庶民にまで広く愛された肉筆と版画の作品が一堂に揃うまたとないこの機会に、ぜひ「春画の魅力」をご堪能ください。

 

会期:2016年2月6日(土)〜2016年4月10日(日)
   前期:2月6日(土)〜3月6日(日)
   後期:3月8日(火)〜4月10日(日)
時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
   3月18日以降の金・土曜日は20:00まで開館(入館は閉館の60分前まで)
休日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)
料金:一般1500円
   *18歳以下の方はご覧いただけません。(身分証明書提示)
場所:細見美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
URL:http://www.emuseum.or.jp/exhibition/next_exhi.html

春画展 特設サイト http://shunga.emuseum.or.jp/

syunga03

 

 

■「 BORO(ぼろ)の美学 ― 野良着と現代ファッション」展

boro01

古より世界各地の人々は、限られた手元のわずかな端切れを繋ぎ、重ねて作った衣服や布類を、世代を越えて大切に用いてきました。それは日本では襤褸(ぼろ)と呼ばれ、藍染麻布の幾重ものツギハギなどは、極限のダイナミックな美のひとつとして広く知られてきました。近年ではBORO(ぼろ)として世界でも通ずる言葉となり、パリなどのハイファッション界でも注目を集めています。
本展では、青森の民俗学者・田中忠三郎が生涯をかけて研究調査を重ね収集を行った古民具等2万点の中から、国の重要有形民俗文化財である東北の野良着―タツケ、マエダレ、長着などに見られる襤褸やこぎん刺し、菱刺しの魅力を約100点紹介するとともに、現在精力的に活躍する日本のデザイナーの中で、特にBOROの美意識を確固たる姿勢で読み解くkeisuke kanda(神田恵介)、matohu(堀畑裕之、関口真希子)、writtenafterwards(山縣良和)の三組のデザイナー作品と、廃棄される資材の特質を活かし日々用いる物へと昇華する、MODECOの作品を展示します。
大量生産以前には常であった「もったいない」の精神を未来へと紡いでいくことへの再考の機会となりますと幸いです。

 

会期:2016年1月23日(土)〜2016年4月10日(日)
時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休日:水曜日(祝日は開館、翌日休館)、1月14日(木)~22日(金)
料金:一般500円 学生250円 *和装の方は無料
場所:神戸ファッション美術館 兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
URL:http://www.fashionmuseum.or.jp/museum/special/boro

 

 

■「浅葉克己個展「アサバの血肉化」」展

asaba
2016年京都dddギャラリーの幕開けを飾るのは、日本国内はもとより、世界中から信望の厚いアートディレクター、浅葉克己氏による「アサバの血肉化」展です。
日本美術の伝統と現代デザインをつなぐキーワードとして、美術史家・山下裕二氏が提唱してきた「血肉化」という概念。これにいたく共鳴した浅葉克己氏は、早速自筆の書で「血肉化」としたためました。
強烈な好奇心と向上心で古今東西、高尚なものからサブカル、ポップカルチャーまで、あらゆる事物を見聞きし咀嚼して、アサバデザインとして昇華させてしまうしなやかさの中に存在する頑なさ。
「日本美術の豊饒な養分を、ガシガシと噛み砕いて、グッと飲み込んで、内臓からしっかり吸収して、血となり肉となるように活かしてくれるデザイナーが現れてほしい」という山下氏の期待を体現する浅葉氏。文字通り血肉化されて自身のものとしたデザインの数々が、有機的に変貌しながらggg(東京)、CCGA(福島)を経て、ここ京都でまた異なる姿をあらわにします。
衰えることを知らない創造欲、しつこいくらいの継続力、レタリングと書そして卓球で鍛えた身体力をベースに生みだされるアサバデザインを、次の時代を担う若者たちに血肉化していただきたい。

 

会期:2016年1月15日(金)〜2016年3月19日(土)
時間:11:00〜19:00(土は18:00まで)
休日:日曜日・祝日
料金:無料
場所:京都dddギャラリー 京都府京都市右京区太秦上刑部町10
URL:http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/