勝野の着物道【夏の着物事始め】
みなさん、毎日蒸し暑いですね。今年は5月中の夏日も例年より多いと感じています。6月梅雨の季節になり、そろそろ夏物(薄物と呼ばれる絽・紗・麻など)を登場させても良い季節となりました。
着物初心者の方は、この中途半端な季節に着物は何を着たらよいのか、わからないことだらけだろうと思います。着物歴10年の私でさえ、この季節は毎年悩みますもの。
6月1日から半衿、帯揚げは夏物(絽・紗・麻)を使用します。基本的に半襟など小物から夏物を先取りしていきます。
次に帯を透け感の少ない夏物に変えていきます。6月中は絽(帯芯が入っているので透けない)の名古屋帯や通年使用可能な半幅帯。6月中旬超えましたら麻(帯芯が入っているので透けない)の名古屋帯。7月に入りましたら、絽や麻に加えて、透け感のはっきりする紗(オーガンジーみたい)や羅(ざっくり編目)を着用します。
これだけ暑いので、6月に入りましたらお着物も夏物(絽・紗・麻)を着用されて良いと思います。上旬は透け感の少なめなものを、下旬は透け感の強いものへシフトするように。
涼しいかつ透け感が少ない着物=綿麻着物がこの季節には重宝しますね。雨でも汗かいても洗えるので安心。綿麻縮みですとアイロンがけも必要ないので、一枚あると夏のお召し物として万能かと思います。
盛夏(7・8月)は何と言っても涼しいのは麻100%か、絹紅梅か綿紅梅の着物です。スケスケですので長襦袢はしっかり着込まないといけませんが、浴衣以外で着物としてお召しになるには、涼しくて洗えて、猛暑の京都で6年過ごした経験から、一枚はお持ちになられることをお勧めします。
そんな透ける夏着物にチャレンジするためには、一般的な短い浴衣下ではなく、足首までしっかり長さのある長襦袢が必要になってきます。本当は夏着物、夏襦袢は透けるのでマイサイズでお仕立てすることがベストなのですが、着物初心者さんやお若い方は予算的に無理な場合も多いでしょう。
夏場は半襦袢+ステテコ(裾除け)も透け感少ない着物にはOKですが、透け感が強いと半襦袢のラインが見えたり、足が透けて見えて恥ずかしいことになるので、しっかり長さのあるオールインワンで着られる便利襦袢を一枚ご用意されるのがいいでしょう。
そこでリサイクル着物やアンティーク着物を着用する場合、浴衣を着物風に着用する場合にお勧めなのが、夏用の嘘つき便利襦袢です。最近は安価で化繊ものよりは涼しそうな天然素材生地の便利襦袢が出ているので、下記ご紹介しておきます。
■夏用/便利襦袢
*衣紋抜きが付いているものは、夏着物では透けて不細工なので、外して着用しましょう。
和装スリップ 絽半衿付き 単衣袖付き 高島縮みクレープ生地
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10014241/
一般的なサイズのお着物をお召しの場合はサイズが合えばよろしいかと思います。
和装スリップ 絽半衿付き 筒袖 高島縮みクレープ生地
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10005856/
肌襦袢に夏の半衿がついたタイプ。リサイクル着物やアンティーク着物にはお袖のサイズを気にせずに着られるこちらをお勧め。
和装スリップ 絽刺繍半衿付き 筒袖 高島縮みクレープ生地
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10000262/
肌襦袢に夏の半衿がついたタイプ。リサイクル着物やアンティーク着物にはお袖のサイズを気にせずに着られるこちらをお勧め。半衿に刺繍が施されているので、可愛いのがお好きな方はこちらを。
■夏用/浴衣下
http://www.erisho.com/page/266
ゑり正さんオリジナルの麻100%の浴衣下。丈がきっちり足袋まであるので、透け感の強い浴衣の下にはめっちゃイイ!断然、涼しい!ゑり正さん以外には無いもの。お値段はするけれど、中途半端なものより、この一枚が絶対イイです。
夏場は襦袢の半襟があるか無いかで、ものすごく体感の暑さが違ってきます。綿紅梅+名古屋帯、綿絽+名古屋帯など、大人っぽく浴衣をワンランク上に着こなしたい時、半襟無しで行ける場面にはこの浴衣下が最適なのです。長さがしっかりあるので光に透けても足のラインが出ることもないですし、袖がないので涼しいし、洗濯しても2〜3時間で乾きます。カジュアルワンピースで行ける程度のレストラン、美術館などならこの着こなしでOKだと思います。
身長150cm前後のちびっこさんはS寸を。S寸は枚数がかなり少ないので、夏になる前にGETすべし!洗濯で1.5cmくらい縮みますが、大きな影響はなし。
麻は毛ばたちやすいので、お洗濯はもちろん洗濯ネット(ネットdeきれいパンツ用)を使用して洗いましょう。
浴衣じゃなく、夏着物デビューをお考えの方、透け感が強い綿紅梅、絹紅梅、本麻着物には必ず本麻100%長襦袢をご用意されることをおすすめします。麻襦袢を反物からお仕立てするには時間もかかりますので、今夏にご入用の方は下記のお仕立て上り品をどうぞ。
■夏用/本麻揚柳長襦袢
お仕立て上がり品 単衣袖付き 居敷当て付き
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10001374/
仕上がりサイズが標準よりも大きめですので、ご着用前に1〜2回くらい洗濯して縮ませてからご着用されることをおすすめします。
■ステテコ
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10005673/
夏場の汗取りにも、冬場の寒さ対策にも年中使っています。やっぱり木綿100%が気持ちいいです。洗い替えに2〜3枚あると便利。木綿が一番静電気が起きにくいので、私はこれしか使用しません。
そして夏着物、浴衣こそ体型がはっきり出てしまうので、暑いけれども和装ブラジャーと汗取りを兼ねた補正をきちんと入れられることをおすすめします。
■和装ブラジャー
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10001738/
最近までヨガブラやスポーツブラを使用していましたが、イマイチ自分の着姿が美しくないなと思っているところ、着付師さんからアドバイスをいただきました。着用してみると、胸元がしっかり安定しているので、着物や襦袢の襟元も浮きにくく、確かに胸元スッキリ綺麗に着付けられます。胸のほっそりさんもふくよかさんも、和装ブラジャーを着用される方が着崩れもしにくく、美しいラインが作られるのでおすすめです。お胸は押さえつける感じで納めますので、ワンサイズ小さめでもいいくらいです。私は洗い替え用に3枚買っています。お洗濯は繊細なレースですので、ネットに入れて。
■補正具 ウエスト+ヒップパッド
http://item.rakuten.co.jp/753ya/10005650/
木綿で汗かいても洗えるのが、めっちゃイイ!夏場に備えて洗い替え用にこちらも3枚買っています。冬場は1枚でも大丈夫。今まで薄いタオルを使って補正していましたが、これ1枚巻くだけでいいので着付けが楽チン。帯の後ろも跳ねあがらず、胴回りにヒモが食い込んでも痛くない。胴回りぐるりとポケットがあり、薄いタオルや手ぬぐいを追加して補正の加減も調整できますし、寒がりやさんはカイロを入れられます。(笑)
夏用の着付け小物はこちら。
■夏用/へちま帯板
ベルトあり http://www.erisho.com/product/6196
ベルトなし http://www.erisho.com/product/6197
半幅帯はベルトありを、名古屋帯にはベルトなしをお勧めします。両方使いたい場合はベルトありを。ゑり正さんは比較的在庫数が多い方ですが、毎年6月中には売り切れますので、ご入用の方は至急GETされることをお勧めします。
■夏用/へちま帯枕
http://www.erisho.com/product/6198
ゑり正さんは比較的在庫数が多い方ですが、毎年6月中には売り切れますので、ご入用の方は至急GETされることをお勧めします。
■夏用/半衿
白・麻絽 http://www.erisho.com/product/4412
カラー無地・麻絽 http://www.erisho.com/page/948
夏場の首回りが涼しく心地よいのは、断然麻100%の半衿です。汗を吸収してくれますし、便利襦袢につけたまま洗濯機で洗濯もOK。
カラー半衿は淡いお色目ですと、初心者さんでも違和感なく使用しやすいかと思います。
他の人とちょっぴり差をつけた大人でカッコイイ夏着物や浴衣を今年は習得しませんか?祇園祭デビュー、ビアガーデンデビュー、盆踊りデビュー。みなさま夏のお着物をたくさん楽しまれますように!!!