「背守り−子供の魔除け−」展は、だだっ広いグランフロント大阪。何度か訪れているものの、気になるインテリアデザインのお店をすべてリサーチできたわけではなく、今回念願の「nana’s green tea : 抹茶&日本茶カフェ」(インテリアデザイン:KAMITOPEN一級建築士事務所)へ初潜入。
空間デザインは木目調のシートや化粧板を匠に使ったデザインで、ナチュラルさとかわいさとカッコ良さと、いいバランスでまとめあげた秀逸なデザインであることがよく分かる。
家具に近寄ってどうなってるか調べまーす。BOX席の円形パーティションがどうなってるかっていうと、3mm程度のスチール下地に木目調不燃シート貼。コーナー部分とか、シート業者さん相当がんばったのがよく分かる。たいへんやっただろうなー。
小腹空いたので定食をいただきます。マグロとろろ丼はまあまあ美味しい。セットのアイスグリーンティーは甘み無しを選べず、仕方なくスタンダードでいただきましたけど、やっぱり甘すぎる!(抹茶は濃く、苦くないとね!)
スイーツもいただきます。やっぱり抹茶フェチとしては、抹茶パフェをいくしかないでしょう。見た目はすごいテンション上がる!!!でも、抹茶は濃さ足りず甘すぎて、下半分はほとんど抹茶寒天(味薄い)。まあ想定した通りのお味でした…。(いまのところ抹茶パフェは京都「辻利」が一番美味しいと思う)
他に歩いていて気になったインテリアデザインのお店「LUCCA LLENA(ルカ リエナ)」靴店。インテリアデザイン設計は、乃村工藝社・松浦竜太郎氏。
スチールメッシュの半円形柱造作に陳列棚を仕込んでいる。森の木々の間を通り抜けるようなイメージの、可愛いデザイン。ディスプレイはかなり難しそうだけど、このインテリアの美しさを活かせるよう、お店のスタッフにがんばってほしい。
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大阪国立国際美術館「アンドレアス・グルスキー」展の後は、グランフロント大阪へ移動し、「背守り−子供の魔除け−」展 @ LIXILギャラリー大阪へ。「背守り」展 、とても素晴らしかったです!
大人の着古した着物を子供用に仕立て替え、背中心の無い子供の着物の背から邪気が入らぬように背守りを必ず入れる。仕立て替えられた子供着物の状態の良さ、デザインの素晴らしさも素晴らしく、様々に工夫された背守りのデザインも多種多様。“ 親が子を思う一針 ” が本当に感動的でした。
許可をいただき会場内の展示作品を撮影させていただきました。背守りは刺繍、アップリケなど数種類に分類され、個人のセンスで様々なデザインが残っています。シンプルに赤い糸で3針縫っただけのものから、大きな亀のぬいぐるがついた背守りも。
女学校では背守りの縫製の仕方やデザインについても教えていたそうです。下記写真は女学校の教本。
そして、現代の生活にも「背守り」の風習を取り入れましょうよ、と、子供のTシャツに可愛らしく端切れや簡単なステッチなどで「背守り」を入れた実例の展示もありました。これは素敵ですね。子供の服に簡単でいいので、さり気なく「背守り」を入れる。お裁縫が苦手なお母さんでもできそうです。
残りの写真はこちらへ → ☆☆☆
この展覧会、現在は東京のLIXILギャラリーに巡回しています。東京方面の方は、ぜひお見逃し無く!!!
■「背守り−子供の魔除け−」展 @東京
会期:2014年6月5日(木)〜8月23日(土)*会期中展示替えあり。
休館日:水曜日、8月14日〜17日お盆休み
時間:10:00〜18:00
料金:無料
場所:LIXILギャラリー1 東京
東京都中央区京橋 3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F
*関連トークイベント _「背守りから見える<世界>」
日時:2014年7月29日(火) 18:30~20:00
!定員に達し予約受付終了!残念ながらキャンセル待ちは受付けていないそうです。
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評判の良い 「アンドレアス・グルスキー」展 が観たくて、最終日に大阪・国立国際美術館へ。最終日なのですごい混み具合になるかと思ったけど、午前中から攻めて正解。そこそこの混み具合で、かなりゆっくりと堪能しながら拝見できました。とても大きなサイズの作品群で、やはり実物で体感しないとわからないすごさがあります。最終日でも観に行ってみて、とてもよかったです!
日本で撮影された《 カミオカンデ 》の写真作品のポスターパネルの前で。
国立国際美術館地下の高松次郎作品。
高松次郎氏といえば、伝説のインテリアデザイナー・倉俣史朗氏と高松次郎氏による共作による東京・新宿2丁目のバー「サパークラブ・カッサドール」(1967年)をみなさんご存知ですよね!
高松次郎作品前で。
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東福寺から祇園へ移動。以前からリサーチしたかったお店探訪へ。
まずは祇園花見小路に面する「ライカ京都店」へ。京町家を現代的に改修した建物。内部空間は壺庭と天窓から差し込む光も爽やかで清々しい空間になっています。1階はカメラ機器展示販売、2階は写真ギャラリーで誰でも無料で見学可能です。
次に辻村久信氏デザインの「マールブランシュ 加加阿365 祇園店」へ。祇園花見小路から東へ入る、少しわかりにくい場所だけど、あえて宣伝も何もせずひっそりとオープンさせているそうです。
京町家を改修したお店で、ファサードはいたって普通の趣ある京町家。しかし中に入ってビックリ、内装にぶったまげ!!!
このお店のコンセプトは「日日是好日」。365日毎日味の違う生チョコレートをお届けするということで、チョコレートに添える「365日分の紋」と「メッセージ」が日替わりであるのです。その「365日分の紋」が天井に刷られているのですけど、全面18金金箔貼(!)なんですってよ!ふつうはゴールドのシルクスクリーンか、ダイノックやカッティングシート貼りにすると思うんですけど、全部本物の金箔!辻村さんの狂気を感じました!
365日毎日味の違うチョコレートをお届けしよう、「365日分の紋」を考えよう、と言い出しっぺはマールブランシュのグラフィックデザインを手がけていらっしゃる三木建氏だそうです。三木建さんも狂気!
「365日分の紋」が彫られた壁面は、銅の無垢プレート!狂気!狂気!
マールブランシュのパッケージなどのグラフィックデザインは、どれもこれも本当に素晴らしい。「加加阿365」のパッケージもよくできてますよー。おもたせにしやすいパッケージ、可愛らしいデザイン、実物をぜひ店頭でお手に取ってみてください☆
マールブランシュ 加加阿365祇園店
リサーチ終えて、お夕食は久しぶりに鰻「かね正」へ。
金糸丼(うなぎは金糸卵の下だよ)は相変わらず絶品!
うな重も申し分無く、絶品!
そして肝焼きは、たまりません!!!
鰻「かね正」
みなさま祇園散策の際に、ぜひ訪れてみてくださいね☆
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つつじの盛りの光明院が観たくて、青もみじ狩りも兼ねて東福寺まで着物散歩。
東福寺の入口、臥雲橋(がうんきょう)から通天橋を望む渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)は、青もみじが青々と活き活きと。
光明院までの道中もきらめく青もみじが続きます。
光明院のエントランスのつつじは満開!
光明院は「虹の苔寺」とも言われます。方丈庭園「波心庭」(作庭:重森三玲)のつつじの盛りには少し早かったようですが、美しい新緑の庭園も素晴らしく。人も少ない時季で、ゆっくり心ゆくまで堪能できました。(5月中旬頃、雨の日の後に観るのがベストなのですね。来年リベンジしたいと思います。)
春も初夏も秋も素晴らしい光明院。ぜひ東福寺へ訪れる際には、みなさまお見逃し無く!
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大阪・茨木の橋本健二建築設計事務所クロージングパーティーへ。会場の建物は、橋本健二氏の御祖父様(大工さん)が明治時代に建てられた木造建築で、元・茨木小学校として昭和30年代まで使用されていた建物。移築をしながら現存し続けてきた貴重な建物ですが、今回解体されることが決まったための建物さよならパーティでした。
橋本健二氏は「高麗橋吉兆」などのインテリアでも素晴らしい作品をデザインされる、関西でも重鎮のおひとり。茨木には何度も春日寄席(桂吉弥独演会)などで訪ねるものの、橋本さんの事務所に思いつきで遊びに伺うのもご迷惑だろうと思って、いままでお伺いしたことがなく、今回この建物には最初で最後の訪問となりました。橋本健二氏の事務所はすぐ近所に移転されます。
解体が決まってから解体を待つしばらくの間に、2階の床を撤去したり柱を撤去したり手を加えていき、この吹抜けのあるダイナミックな空間が実現されたようです。現代美術展、演劇、音楽ライブ、映画上映、落語会など様々なイベントができそうなすてきな空間。移転移築案も様々ご検討されたと思いますが、残念ながら今週末には解体されてしまうのです。
パーティー当日、ダイナミックな吹抜けとなった内部には、怪しいピンクの蛍光灯によるライティング!こんなん大好き!中二階スペースはちょっと高みなのが居心地良いのでしょう、梯子で登って大勢のみなさんが思い思いのスタイルでまどろんでます。
建物の外ではフリー(フリーダム?)な大工さんたちが木の足場材で即席屋台村&BARを造っちゃって、夜は薪を焚いてすごいカッコいい雰囲気に。柱に電ノコの丸歯やスコップやチェーンがさり気なくディスプレイされてる。(若干危ないけど)ほんと、まるで維新派の屋台村みたい。
メインのお楽しみショーは、橋本さんたちのギター漫談やシモーヌ深雪さんのショーなど。私達は出向くのが遅くなったため、ギター漫談は拝見できなかったのだけど、シモーヌ深雪さんのショーには間に合いました!!!放送禁止・お子様禁止なやばいムービーを背景に、シモーヌさんのすばらしい歌を聴けて感動。ほんとカッコいい!
外部にあった、ええ感じの灯籠と立手水鉢。欲しい。(運搬移設にお金かかるけど)
今日の主役、橋本健二氏と。さりげなくこんなカッコいいポーズがとれる橋本氏はなんてカッコいいんだ!ピンぼけなのが残念。いつかアメ車に乗せてほしい。
野井成正氏と。これからの展覧会のことなど、近況情報を入手。現在〜3月10日までの茨木での展覧会はこちら。4月には東京での展覧会開催(中川ケミカル)が決まったようです。詳細は後日お知らせします。
ヤギと。
2時間半ほど、橋本さんにご挨拶したり、野井さんとおしゃべりしたり、とても楽しいひとときでした。建物が無くなるのは寂しいですが、橋本さんの新しい事務所も、取り外された古材を使用したええ感じの設えになりそうで楽しみです。
三越のショッピングバックのデザインが新しくなるとのニュース。
新しいショッピングバックのデザイン、タイトルは「実り」。
人間国宝・友禅作家・森口邦彦氏が友禅訪問着のために創った「白地位相割付文『実り』(しろじいそうわりつけもん みのり)」と題するデザイン、「たわわに実るりんごが幾何学文様」が、三越の自由・革新を繰り返し伝統を作り上げてきた姿勢をこれからも表していくシンボルになる、ということでこのデザインになったそう。
単純に着物の柄をショッピングバッグに転用しただけなので、グラフィックデザイン・パッケージデザインとしての斬新さは無いかもしれない。見る人によっては賛否両論かもしれないけど、「三」がモチーフの三越らしい、たいへん洗練された美しいデザインであるとlove the lifeは思います。
森口邦彦氏の着物デザイン、特に幾何学文様のデザインはたいへん素晴らしく、私も大好きなので、着物好きとしてはこの着物の柄が気軽に手に入れられるという点では、かなりうれしい。着物好きのみなさま、お着物を着て、三越に参りましょう♪
三越伊勢丹ホールディングス 広報ページ
http://bit.ly/mitsukoshi-SB
日本の工芸会 人間国宝ギャラリー・森口邦彦氏
http://bit.ly/yuzen-moriguchi
人間国宝・森口邦彦氏 画像検索
http://bit.ly/moriguchi-photo
大阪・粉浜の呉服店「こころや」さんの企画「初春文楽ツアー」で、お着物好きのみなさまと一緒に新春文楽へ着物で行って参りました。文楽の観劇以外に、文楽の舞台裏ツアーまたは人形遣による文楽人形の説明会か、どちらかのオプションが付く特別ツアー。配役が発表され、第2部に桐竹勘十郎さんが出られるということで、1/4第2部のツアーに参加予約し、昨年からヤギ共々とても楽しみにしていました。
文楽劇場入り口には大きな門松。
劇場一階ロビーの端っこには浄瑠璃人形仕様の食い倒れ人形「くいだおれ太郎」も。本物よりも幾分顔がちっちゃいかも。一度動くところが観てみたいもんです。
私達が参加させていただいたこの日は、人形遣い・桐竹勘十郎(人間国宝)さんによる文楽人形の説明会付きでした!!!もうすごいのですよ!さすが人間国宝!以前拝見したことがある若い人形遣いの方の操り方と歴然と違うのです! お人形が少し首を傾げるだけ、右手を動かすだけでも感情表現が見て取れ、お人形は生きている!と瞬時に思えるのです。
人形遣いは、人形本体を持ちながら顔と右手を動す顔出しの主遣いと、左手の担当の左遣い、両足を担当する足遣いの三位一体で構成されます。3人がうまく動くために何かしているのかというと、主遣いの人形の動かし方で無言の合図(指令)が出ていると言うのです。それを説明&実演してくださいましたが、素人目には合図が出ている時と出ていない時の違いは全く分かりませんでした。とっても難しい人形遣い、才能と努力で10年20年と研鑽を積めばできるようになるのでしょうか。すばらしい芸術です。たくさんの後継者が育ってほしいものです。
説明会後にいよいよ長丁場の文楽観劇です。会場内舞台緞帳上にはにらみ鯛と今年の絵馬。
第2部の演目
・面売り めんうり
・近頃河原の達引 ちかごろかわらのたてひき
四条河原の段/堀川猿廻しの段
・壇浦兜軍記 だんのうらかぶとぐんき
阿古屋琴責の段
「近頃河原の達引/四条河原の段」は鴨川・四条河原の描かれた舞台セットが、とてもシンプルで印象に残りました。背面幕に描かれた昔の京町家の連なる風景に、セットは柳の木が1本だけ。舞台演出の勉強になるわー。
「壇浦兜軍記/阿古屋琴責の段」では花魁・阿古屋の人形(衣装・髪飾りなど含めたら10Kg以上あるらしい)を、勘十郎さんが主遣いで操る。阿古屋が琴、三味線、胡弓(三曲)を弾く場面では、三味線弾きのお一人が実際に琴、三味線、胡弓を演奏し、その演奏にぴったり合わせてお人形の阿古屋がまるで実際に奏でているようにミニチュアの琴、三味線、胡弓を弾くのです。阿古屋の絢爛豪華な衣装もすばらしいですが、その演奏姿のすごさ、勘十郎さんの技術の素晴らしさに感服。
観劇後はみなさまと近くの「焼きとんya たゆたゆ」で新年会!木造店舗付き住宅(屋上3階部分はあきらかに違法増築!)を改装したワイルドなお店。2階をほぼ貸し切り状態で。会費お安いのに、食べきれないくらい豚肉のお料理が出てくる出てくる。新しい着物お友達のご縁もでき、とても楽しい新年会でした。
周辺はとーってもディープな千日前・日本橋界隈。奧の方には今では珍しいキャバレーがあったりするの、ステキ。着物では行きにくいお店が多いんだろうけど、一度ゆっくり散策してみたいなー。キャバレーにもね、内装屋としては一回行ってみたいんだよね。「着物でキャバレー」誰か一緒に行ってくれるっていう奇特な有志いらっしゃらないかしら?
こころやさん企画の初春文楽ツアー、とてもとても楽しい一日でした!ご準備してくださったこころやさんにこの場を借りまして、御礼申し上げます!今後も楽しい文楽ツアーが企画されると思いますので、ぜひみなさまもお運びください。
京都迎賓館の特別放送のお知らせです。現代数寄屋建築、現代の名工たちの技が織りなす空間を観られる貴重な放送です。ぜひご覧(録画)くださいませ!
【 京都迎賓館「極める!京都の技とおもてなし」】
放送局:NHK 総合
日 時:2014年1月3日(金)午前7:20~午前8:20 (60分)
出演者:[ゲスト]富司純子,寺島しのぶ
京都御苑の中にある京都迎賓館。日本ならではのスタイルで、海外からの賓客をもてなす施設だ。VIPを迎える建物は、数寄屋大工・蒔絵師(まきえし)ら、人間国宝を含む100人以上の職人が携わった伝統技能の集大成だ。秋のある日、迎賓館を訪れる海外からの賓客の取材許可が下りた。「究極の一見さん」である海外VIPを迎える京都の神髄を徹底取材。現代の日本の美心の最高峰を実感し、その奥深さを伝える。
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京都迎賓館は毎年一般参観の期間がございます。応募期間は毎年6月、参観は8月末から10日間。ぜひみなさま今年はご応募してみてください。名工による調度品も囲い無しで至近距離で拝見できます。海外VIPがどのように案内され、おもてなしされるのか、想像するだけでもワクワクします。
京都迎賓館
http://www8.cao.go.jp/geihinkan/kyoto/kyoto.html
京都迎賓館の参観について
http://www8.cao.go.jp/geihinkan/sankan/kyoto_sankan.html
NHK[Eテレ]で志村ふくみ先生の特別番組の放送です。
ぜひご覧(録画)くださいませ!!!
【京の“いろ”ごよみ 染織家・志村ふくみの日々】
放送局 : NHK教育テレビ[Eテレ]
放送日時:2014年
1月1日(水・祝)22:00~22:59(本放送)
1月5日(日) 15:00~15:59(再放送)