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カテゴリー : 着物デザイン

2017.09.20. 展覧会巡り「玉村晋一+玉村咏 二人親子展」

彼岸花が知らないうちに満開。

京都の染色家・玉村咏先生の展覧会「玉村晋一+玉村咏 二人親子展」@京都文化博物館へ!福井・東京から京都へ巡回。やっと拝見できました。

 

若くして他界された玉村咏先生のお父様、画家・玉村晋一氏の作品たち。力強い筆跡の油絵や、スケッチ木炭画。素晴らしい才能の方であったことが偲ばれます。

 

会場は京都文化博物館6Fの和室大広間。いつも落語を聴いてる空間が、こんなに素敵な空間に様変わりするとは。入り口のしつらえから圧巻でございました。

舞台にしつらえられた糸による造形作品。天より舞い降りて、そっと玉村咏先生を見守っておられるお父様の面影を感じます。

 

着物・帯など和装に関するもの以外に、タペストリー・屏風・掛け軸・ファイバーアート造形作品・インテリア作品と、多岐にわたる作品も素晴らしく。


葛飾北斎「冨嶽三十六景」を模写された作品。

 

そして、圧巻の着物作品!!!上品かつモダンなデザイン、繊細な色合い、染め&箔の緻密さ、どれもこれも素晴らしく、ため息が出る展示でした。

実は着物や帯は、試着させていただくこともできたらしい。。。ああ、素晴らしい作品を、羽織らせていただけばよかった。。。

いつか、この帯を!

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2017.09.18. 展覧会巡り「小椋会」「中里太亀 酒の噐」

台風一過の連休最終日に、会期終了間近の展覧会へ。

 

■ 「志村ふくみ門下生による-第20回 小椋会織物展」

今回が最後になるという、「志村ふくみ門下生による-第20回小椋会織物展」@京都文化博物館へ。会期最終日に滑り込み。

 

会場内は撮影禁止のため、展示されていた過去のDMを。

素晴らしい染織作品の数々。草木染めの染めの美しさに、織の構造の複雑さに、ハートがキュ〜〜〜ンとしちゃいました。素敵な作品をぐっと目に焼き付けて。またどこかで志村ふくみさん門下生の方々の作品を愛でることができますように!

 

■ 「中里太亀 酒の噐」展

大好きな唐津の陶芸家・中里太亀さん(隆太窯)の展覧会「中里太亀 酒の噐」展ギャラリー日日へ。こちらも会期最終日の終了時間間際に滑り込みセーフ!

御所東・丸太町新烏丸通上ルの京町家を改修した素敵なギャラリー。(デザイン設計:ケースリアル/二俣公一氏)内装写真撮影のご許可をいただいたので、たくさん撮影させていただきました。

内装に違和感なく溶け込ませた照明の納まり、すごいよ!適材適所にだけ照明が当たるという、普通のギャラリーとしての考えではなく、ここの空間としつらえを絶対に崩さないための最小限の照明計画。中庭からの反射光でほんのり空間が浮かびます。

ギャラリー日日 http://www.nichinichi.com/ja/index.htm

隆太窯 http://www.ryutagama.com/

「中里太亀 酒の噐」展

南蛮焼き締めを中心に、絵唐津、粉引、刷毛目、斑唐津、三島、黄釉、鉄釉など、酒器のあれこれ。

最終日だから作品のほとんどが売れてしまっていたのだけど、《残りものには福がある》でいくつか好みの器をセレクト。隆太窯らしいシャープさのある松菱形の小皿大小や梅型の湯のみなど。次回は絵唐津をいくつかいただきたいな。また唐津の窯元へ伺って、現地で器も拝見したい。(器のほとんどはコレクション。お父様の中里隆さんの器も持ってるけど、大事にコレクションしてます。/笑)

ギャラリー日日に併設の素敵なカフェ「冬夏」も伺いたいところだけど、閉館時間なのでまた次回に。

 

アイタルガボン

帰り道「アイタルガボン」@河原町丸太町東でお茶。展覧会後の興奮をクールダウン。

「すりおろしりんごとハチミツのソーダ」がすんばらしく美味しかった!!!

 

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2017.08.26. 栗山工房祭 工房見学会

 藤工房さん主催の栗山工房祭 工房見学会】へ参加してきました。

仁王門うね乃

お出かけ前に「仁王門うね乃」でおうどんを。

 

栗山工房祭 工房見学会

栗山工房

伝統工芸である琉球紅型に魅せられた初代・栗山吉三郎氏が、京友禅の技法を融合させた「和染紅型」を生み出し、嵯峨野に工房を創設。デザイン・型彫り・染めまでのほとんどの工程を工房内で一貫制作されています。



(*これから工房見学行く方にはネタバレあり。)

(*見学会の内容について、栗山工房・西田裕子様に掲載のご承諾をいただいております。西田様、ありがとうございます。)

民芸を好きになり、様々な伝統工芸を知ると、着物を着ようが着まいが、手業の素晴らしい工芸のことを知りたくなります。今回は着物は着ないけれど、伝統工芸好きであるヤギも一緒に参加させていただきました。

展示室では、普段なかなか見ることができない栗山工房作品を一同に拝見。どれも素敵で眼福!

たくさんの人数での見学会、2グループに分かれて、順次工房内をご案内いただきます。栗山工房三代目・西田裕子氏から紅型染めの技法をご説明いただきました。型彫り、糊置き、彩色、糊伏せ、地染めと工程があります。

デザイン室で、図案作成から型彫りまでの工程を拝見。型は伊勢型紙と同じく紗張り柿渋塗りで、工房内で一貫制作。型を彫る手業も人によって微妙な違いがあることが味わいとなり、型染めの仕上がりがおもしろくなります。糊置きの時、型紙をリピートしていくための◯印を、図案の中にどのように紛らせるかもデザインのポイント。

反物に糊置きをするスペース。13mの反物を7m弱の木の長板に表裏張り付け、「馬」と呼ばれる支柱の上に寝かせて、青花染料を混ぜた防染糊(もちのり)を型に合わせて糊置きしていきます。長板の表裏両面を一気に糊置きした後、長板を頭上に上げ乾燥させます。「馬」の上面が弓なりに凹んでいるので、片面を糊置きし、すぐにひっくり返しても「馬」には触れないのです。

乾燥したら、また両面糊置きして乾かす、この工程を繰り返し行います。長板の上げ下げ、また粘り気の強い防染糊(もち米を使う糊はお餅を伸ばすようなねっとり感)を均一に素早く糊置きしていくため力が必要で、男性にしかできない作業だそうです。

デザインが複雑なほど、彩色の時に染料がにじまないように、糊置きを繰り返し行い、糊を盛り盛りにするそうです。

糊置きだけでは染料が生地ににじむため、反物全体ににじみを防ぐ豆汁と布海苔の溶液を刷毛で引いていくスペース。重たい溶液の入ったバケツを片手で持ちながら、長い反物に溶液を素早く均一に引いていきます。反物の端からどんどん乾いていく(ムラがあると彩色にムラが出てしまう)ので、素早く施していく必要があるため、こちらも男性の受け持ち。

彩色していくスペース。長い反物をくるくる回していけるようにしてあります。(友禅染めも同じ)

友禅と同じ染料を使っていても、紅型なので、生地の裏側までしっかりと染料が染み込んでいます。この反物は模様部分の彩色後、全体を赤色で地染めし、振袖になるそうです。全体の仕上がりを想像しながら染めるの難しいです〜。

彩色後、反物は染料を定着させるため蒸し工程へ。蒸し工程は大きな設備が必要なため、専門工場へ。

水元=蒸し工程が終わった反物の糊や余分な染料を洗い落とす場所。とっても広い!やはり染物には水が重要で、今でも自然の川の水を引き込んで使用しているそうです。(*塩素の入った水道水は使用に適さないのです。)こちらも冷えるし重労働なので、男性の受け持ち。

 

工房見学の後は、染色体験へ!!!和紙の絵葉書に狛犬さんを染めます。今回の見学会のために、オリジナルのデザイン、型彫り、和紙への染色実験など、事前にご準備くださいました。誠にありがとうございます!!!

水色部分は、前もって糊置きをしてくださっている部分です。お手本と同じように染めようと思うんだけど、細かい部分は糊を超えて他の部分に染料がはみ出したりして、思っていた以上に難しい。さて、完成後はどうなっているか、後日自宅で糊落とししてからご報告しますね。

工房内の一部で、様々な型染めの資料が展示されています。

おまけ:トイレの表示も紅型!

 

糊置きなどの下地作りから、若い職人さんたちが丹精込めて一枚一枚を手がけていらっしゃいます。実際に拝見することでわかる職人技の素晴らしさ。身につけさせていただく作品も一層愛おしく思います。貴重な工房体験をさせていただき、誠にありがとうございました!!!

今回の染め体験は大人数のため絵葉書でしたが、いつか帯の染め体験に伺いたいと思っています。工房内でご指導いただきながら染めていくので、多くて2〜3人でしょうか。どなたかご一緒しませんか???

夜の【 栗山工房祭 パーティー】へ続きます。→ ●△■

 

2017.08.09. 御誂えの楽しみ

ご近所着物友達のSちゃんと、ある着物御誂えミッションのため、一緒に染め屋さんへご案内。

■ 御金神社(みかねじんじゃ)

喫茶マドラグ」のランチのお席を待つまでの間、御金神社@西洞院二条下ルに初めて伺いました。なんと、なんと、こんなビルやマンションのたて込む谷間に、小さな神社があったとは!

鳥居も金色ピカピカで、なんか怪しい感じするけど、由緒ある神社で、実は金運アップのパワースポットらしいです!!!

日本神話に登場する伊邪那岐(いざなぎ)・伊邪那美(いざなみ)の皇子である金山毘古神(かねやまひこのかみ)がご祭神としてまつられています。金山毘古神は鉱山・鉱物の神として、人間の生活の中で用いられる金属全般(剣、刀、鏡、鋤、鍬など)にご利益を授ける神様です。現在では大型農耕具や印刷機、工場の機械に至るまで幅広くご利益を授け、さらには通貨に用いられる金・銀・銅にもご利益があることから、資産運用や不動産、転宅、方位、厄除け、旅行中の無事安全を護る大神として、広く崇められるようになったそうです。

海外観光客の方もひっきりなしに訪れますが、本当に小さな境内なので、参拝はあっという間。私たちも手を清めて、サクッとお参り。金運アップ!(になるといいなぁ〜)

絵馬は本殿奥にある大きなイチョウの木をモチーフに、イチョウの葉っぱ型のデザイン。もっこり吊られています。

 

喫茶マドラグ

久しぶりに伺う「喫茶マドラグ」。平日だからランチタイムでも12時前なら入れるだろうと思っていたら、あらあら満席。いろんな雑誌で取材されちゃったし、東京店もできちゃったし、やっぱり人気なのね〜。11時半からのランチタイムで、1時間ごとに12時半、13時半と、店頭に来た人の予約を受けて1時間ごとに区切ってお席をご案内するシステム。Sちゃんが早めに到着してくれていたので、なんとか12時半のお席GET。

昭和な喫茶の佇まいに、フランスヌーベルバーグ映画や、ウォン・カーウァイ香港映画のあれこれ、ディスプレイがかわゆい。

Sちゃん念願の「コロナの玉子サンドイッチ」!!!ふっわふわ!!!一切れが手の大きさを超えるほどで、女性なら三切れでギブアップするほどボリューミー!二人で半分こなので、なんとか完食。

昭和喫茶に来たら欠かせない「鉄板ナポリタン」。こちらもすごいボリュームで、食べきれないほどの凄さ。お若いSちゃんに、無理やり半分以上食わす。(笑)

コーヒーフロート(左)とクリームソーダ(右)。赤いクリームソーダは珍しい!

満腹になったところで、13時半からの次のお席の方々が店外でお待ちなので、そそくさと退去。ゆっくりされたい方は、ランチタイムを外して15時以降のお時間がオススメです。

 

■ 染め屋さん

今回ご案内したのは、紬を得意とする白生地屋さん。帯揚げでも着尺でも半襟でも、1枚から染めてくださいます。

Sちゃんは2月のある着物イベントでGETした素敵な着尺反物のために、八掛を特注色でご注文。私は7月末にGETした、これまたなかなか出会えない色の着尺反物のために、八掛を特注色(めっちゃ斬新な色と言われる/東洋の海の色だよ)で注文。また秋頃の出来上がりをお楽しみに☆

 

■ 二條駿河屋

《今日の最大のミッション=八掛の特注色をお誂えする》を完了できたので、ふたりとも大満足。

そして染め屋さんを出て振り向くと、斜め向かいに老舗っぽい和菓子屋・二條駿河屋さん。



店頭に「甘美羹(あまみかん)」と書いてある。「これはなんやろうねぇ〜?気になるねぇ?入って聞いてみよっか?」と、店内へ。

なんとなく想像してたけど、やっぱり夏みかんのゼリー!!!左がサンプルで、右が実物。実物の方がめっちゃ大きい!

二條駿河屋さんは元々は羊羹屋さん。羊羹には寒天を使います。たっぷりのグレープフルーツ果汁と寒天で作ったゼリーだそうで、夏場に多少の時間屋外で持ち歩いても溶けないそう。

夏みかんのゼリーといえば、老松さんの「夏柑糖(なつかんとう)」。毎年食べたいと憧れで、でもいつも気がついたときには時季が遅くなかなか入手できず、グレープフルーツの「晩柑」をいただくのだけど、今回は出会いなので、こちらのお店の「甘美羹」を2個いただきました!世界陸上を見物しながらいただきます!

その後、Sちゃんとお別れして、めっちゃ重たい「甘美羹」2個を携えつつ、ヤオイソにこっそり行ったことは内緒です。(まだ食うんかい!/笑)しかーし、岡山水蜜桃が売り切れだった!!!(爆)でもふつうの桃は食べたよ。

2017.05.27. ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 02

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 01 】から引き続き、この日は【 キモノ文化講座 】へ参加。

■ キモノ文化講座(3)「キモノ井戸端会議 vol.6」

■ テーマ「絹の着心地はどこから?染めの着物」

講師は、朝香沙都子さん、松下妙子さん、西岡万紀さん、須賀凌子さん。

着物のことは、生地の種類、織り・染め、産地も少しはわかりますが、ベテランの着物通の方々に比べれば、まだまだ知識も経験もあやふやで勉強不足。

今回の井戸端会議は、あらゆる “ 染め ” の着物について、実物を見て触って質問できるという、とても貴重な機会でした。実物のお着物は、朝香沙都子さんと西岡万紀さんの自前のお着物を総動員!!!

解説終了後には、参加者のみなさまで大切なお着物を触らせていただきながら、質疑応答。着物をよく着られる方からも、様々な質問が噴出!!!時間内では終わらない雰囲気でしたが、終了時間目いっぱいになりまして、おひらきに。

勝野から朝香沙都子さんへの質問は「藍染め、紫根染め、茜染めなど自然素材での染め物は色落ちしますか???」。

朝香沙都子さんの回答は「仕立てる前に水通し・色止めはしても、やはり色落ちはします。着用時には色移りしないよう気をつけますが、どうしても襦袢や足袋に色は付きます。」と。

それでも自然素材、草木染めは魅力的なのですよね。色移り後のお洗濯で少し気を使ったり、足袋や襦袢に色移りしても良い専用を作るなど必要なのですが、魅力あるものは身につけたい。がんばろ〜。

最後に、講師の朝香沙都子さん、西岡万紀さん、須賀凌子さんと、ご一緒したみなさまと記念撮影。貴重な講義を誠にありがとうございました!!!またこのような機会があることを、切に願っております!!!

この日の勝野コーデは、正絹久留米絣単衣着物+木綿幾何学文様絞り名古屋帯+ぬぬパナ琉球藍染帯締めで。

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 】の開催は、残念ながら今年で終了。また違う形で、このような手作りにこだわる作家さんたちの作品がたくさん拝見できる機会が生まれますように。

ぬぬぬパナパナ主宰の浦令子さんのご冥福を心からお祈りいたします。

 

■ カンテ・グランデ

阪急を後にして、グランフロント大阪のカレンブロッソへお誂えのご相談に。雨用に黒のカレンブロッソがずーっと欲しくて、それに合わせる鼻緒を1年悩み(人と違う鼻緒にしたいから)、結局先日黒田商店さんでいただいた鼻緒でオーダー。(*完成後に別途レポートしますね)

疲れたので、カンテ・グランデで一服。ゴータマショコラとマサラチャイはテッパンですね!学生時代からもう30年味わってるけど、これは大阪でしか味わえないんですよね〜。いつもカンテには感謝!

2017.05.24. ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 01

ぬぬぬパナパナとは

八重山地方の方言からの造語で

布の端々の意

今年も阪急うめだ本店で開催された【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 】へ行ってきました。

できるだけたくさんの布「ぬぬ」たちに出会いたかったので、初日の24日に仕事の合間を縫って、とんぼ返りで行ってきました。

今年も素敵な手績みの布「ぬぬ」たちがいっぱい!丹波布、芭蕉布、琉球絣、琉球紅型、琉球藍染め、手紡ぎ紬、草木染めのいろいろ。力のある布「ぬぬ」たちは、どれも表情豊かで力強く、何度見てもうっとりします。

素敵な帯がいっぱいで、いいな〜。でも憧れだけで、まだまだ手にすることはできないんですけど、眼福で目に焼き付けて。

ボディに素敵なコーディネート。自然布の味わいはたまりませんね〜。

大きなモノは無理なので、今年も草木染め・手組みの帯締めをいただきました。太さがあるので、どうしても夏物には不向きなのですが、単衣/袷の時期に、似合いそうな藍染や紬にコーディネートするのが楽しみです!

 

黒田商店

そして初日24日に訪れた目的第二弾は、こちら、黒田商店さんの催事出店です!!!

関西での催事は、毎年5月下旬にJR京都伊勢丹に年に一回だけ出店されていたのですが、今年&来年から阪急うめだ本店になるそうです。JR京都伊勢丹のご出店時に2年通って、毎回格別な鼻緒を一点ずついただくのを楽しみにしておりました。

お父さん、お母さんも、お変わりなくお元気そうで、よかったです!(*撮影のご許可を得ています)

関西圏では、まずこれだけたくさんの鼻緒を一堂に見られる機会って皆無なんですよ。履物屋さんも大阪、京都にありますけど、どこも鼻緒の品揃えがイマイチで、黒田商店さんの催事は貴重なのです。

ヨーロッパで独自買い付けのファブリック、アンティークファブリックを使った鼻緒など。

礼装にも使える格調高い美しい刺繍鼻緒。

江戸小紋、博多織、洋服用ファブリックを使った鼻緒、その他いろいろ。

貴重な更紗を使った鼻緒。

台まで一式お願いするのは無理なので、今回も珍しい鼻緒を一点だけいただきました。(*後日カレンブロッソに挿げることに決定。また別に履物レポートします。)

 

【 ぬぬぬパナパナのぬぬ 2017 大阪 – 02 】はこちら → ●△■

 

2017.05.19. 旅する日傘

5月上旬にお友達のフォトグラファー・武藤奈緒美氏が撮影でご紹介されていた【旅する日傘展。様々な着物生地を利用し、ひとつひとつ傘屋さんが手作りで誂えられた日傘の展覧会。

広報用に武藤奈緒美氏のFacebookで掲載されていく写真を拝見し、「おおお、コレはっ!」と思った日傘があり、遠隔操作でお嫁さんにお迎えした日傘が届きました!

黄八丈の着尺反物から誂えられた日傘。着物好き、民芸好きにはたまらない存在感。素敵すぎます!

黄色い麻生地の日傘は一本持っていて夏場は大活躍しているのですが、この【旅する日傘・黄八丈】はとっておきの逸品。いつ登場させましょう。ふふふ、夏の浴衣や着物の何に合わせるか、楽しみであります!!!

【旅する日傘】展覧会風景や日傘については、Instagram のこちら → ●△■

 

2017.05.04. 着物撮影会

■ 着物撮影会

前日の撮影から引き続き、5月4日は勝野屋blogで以前にご紹介した『あるミッション1』『あるミッション2』こと、ご近所着物会のみなさまとの着物撮影会に挑んでまいりました!

早朝7時からプロの着付師さん&ヘアメイクさんにお支度していただいてのミッション。快晴に恵まれ、素敵なお写真がいっぱい撮影できました。

こちらは、着付け&ヘアメイクお支度後のSちゃん。アンティークのバラ柄付下げ着物に合わせて、大正ロマンなヘアスタイル「耳かくし」をご希望になり、美容師さんがとっても素敵なヘアスタイルに仕上げてくださいました!

朝9時にお支度上がりでしたが、すでに日差しが夏のように厳しい。歩くと暑いので、第一弾撮影場所の南禅寺までタクシーで移動。

南禅寺の新緑の中でのSちゃん。着物コーディネートの要は、やっぱり小物ですね!あらゆる帯揚げ、帯締めをたくさん持参した中から、着付師さんが白地に赤の飛び絞り帯揚げ、赤の縞柄帯締めを選んで、京都らしく艶やかにコーディネートをまとめてくださいました!お草履の上面のチラ見えの赤ともピッタリで、最後にお化粧では真紅のお紅をさして仕上げとなりました。

南禅寺で観光客を避けながら三門、新緑の境内、水道橋などで撮影。いろいろ撮影していると、あっという間に2時間経ち、第二弾撮影場所である京都府庁・旧本館へ急いでタクシー移動。

京都府庁では、ご近所着物会のYご夫妻、今回撮影会に飛び入り参加してくださった、Sちゃんの同僚であるKさんも合流。京都府庁では撮影のための日光も考え、午後12時から貸切にしてるので、お昼ご飯も抜きで、すぐに撮影開始です。明治時代のロマンティックな建物の中で、一人ずつ【女優風???】に撮影していきます。

Sちゃんは、まるで「細雪」に出てくる女優さんような雰囲気で、とっても素敵!!!美人さんはいいなぁ、ため息が出ます〜。

ご近所着物会のYご夫妻。美男美女な上に、めちゃくちゃ可愛らしいKちゃん(6ヶ月歳)。お母さんが夜なべして作ってくれた、夏野菜柄のおべべを着て。

お母さん個人撮影中、子守りする男性陣。(笑)

撮影ミッション終了後に、中庭にて。途中のメイキング写真をほとんど撮影していなくて…反省。個々のお写真は、後日のお楽しみ☆ みなさま、お疲れさんでやんした!

 

cafe TIGER

撮影終了後、みんな腹ペコなので、京都府庁近くの「cafe TIGER」さんで軽食とコーヒーを。休日なのに開いていてよかった!

 

門扇御池店

すべてのミッションが終わって、一旦帰宅後、礼装着物のまんま、門扇御池店へ!カルボナーラらーめん、美味しっ!

 

■ 着物コーディネート

この日の着物コーディネート。事前に何パターンもの着物コーディネート案を撮影し、着付師さんとむーちょさんにも相談。勝野屋用ポートレートも兼ねているので、着物の美しさが出せるように、また新緑に映えるように春らしいお色目で、はんなり上品系のコーデにしてみました。

白色薄ねず色藤色の横段市松ぼかし染め小紋着物+金糸入り青海波文様袋帯。帯揚げは、藤色のストライプ紋意匠地ラメ入り。帯締めは、当日の着付師さんセレクトで、若草色の冠組に変更。

「普段はほとんどすっぴんやんね!」と言われる勝野が、フルメイク&盛りヘアにしていただきました。(これでも普段も外出時は自分なりに精一杯メイクしてるんですよ〜/笑)さて、撮影でどのように写っているか、自分でも楽しみ!

 

この度は、連日ハードな撮影を楽しくこなしてくださった、むーちょさん、誠にありがとうございました!!!束の間でしたが、京都の名所探訪も楽しんでいただけましたでしょうか?また別の京都の名所での撮影会を、ぜひよろしくお願いいたします!!!すでに秋にもどこかで撮影会やりたい、というご要望が出とります!(笑)

そして、早朝から素敵なお支度をしてくださった、着付師の宇ゐ先生、ヘアメイクの武内先生、誠にありがとうございました!!!

ポートレートが完成しましたら、またお披露目いたします。お楽しみに☆☆☆

 

2017.05.03. LTLポートレート撮影

■ LTLポートレート撮影

5月3日は、きもの仲間であり、落語仲間であり、民芸好き仲間である、東京のフォトグラファー・武藤奈緒美氏(通称:むーちょさん)に京都まで来ていただいてのLove the Lifeポートレート撮影会でした。

カフェ・ヴェルディでむーちょさんと待ち合わせてランチ。久々なので、しゃべるしゃべる…。(笑)はい、仕事しましょう!

 

京都造芸大・人間館1FのLove the Lifeデザインのカフェにて、仕事用ポートレート撮影。白壁バックのポートレート撮影は、実は8年ぶり!印象年齢サバ読み過ぎの写真を差し替えなくてはヤバい!(造形芸大のオフィシャルWEBサイト)

いろんなストーリー仕立ての撮影を行って、たーのーしーーーい!コントみたいな、コマ送り写真もあるよ。どんな写真かは、後日のお楽しみ。


詩仙堂

撮影後は、大学から歩いて行ける詩仙堂へ、新緑に癒されに。


いせはん

詩仙堂の後は、今年お初の出町柳「いせはん」で、ハードコアな宇治金時氷(ミルク別添え)。柳桜園さんのお抹茶をふんだんに使用した宇治金時は、お抹茶味が濃くて苦くて甘みが少なくて、本当にベストなお味。また小豆の美味しさは京都一!


■ 着物コーディネート

この日の着物コーディネート。LTLの仕事用ポートレートだし、大学のカフェのデザインにも合わせて、ここはバキッと赤黒コーデで。

ほぼ黒色の蚊絣グラデーション文様泥大島紬+白地に赤色麻の葉柄絞り名古屋帯。帯揚げは、白色の市松柄紋意匠。帯締めは白色三分紐に、東風杏さんの帯留め(ギャラクシー)でバキバキに。

全身写真はポートレートが仕上がってからのお楽しみ☆

 

そして、5月4日はご近所着物会のみなさまと、着物撮影会!早朝7時からのお支度です!

 

2017.03.20. 伝統工芸のこれから 西陣織

先日twitterで、ある西陣織の職人さんの小さなつぶやきが、なぜか大々的にリツイート・拡散されまくり、ニュース報道にまで出てしまうという現象がありました。このことで関係者の皆様は、有る事無い事、様々な物言いにも真摯にご対応され、大変だったかと思います。

この現象が起きたことで、良い悪いを含め、現在の日本の伝統工芸の一端で起きている、明らかな問題点がクローズアップされ、世間に知られることとなりました。

西陣織の賃金設定の問題、流通の問題、様々な条件が絡み合って起きている問題点で、今後改善してゆかねば西陣織の技術継承が難しくなっていく、というこの現状は事実なのです。

しかし、確かに事実のひとつではあるのですが、西陣織のすべてがそうではないことをお伝えしたいです。若手職人さんの正規雇用・育成を続けていらっしゃる企業もおありです。西陣織の海外進出を踏まえ、インテリアファブリックやファッションファブリックとしての開発を進化させていらっしゃる企業もおありです。小さな工房で、新しい西陣織のあり方を提案し、がんばっていらっしゃる職人さんもおられます。

着物好きが高じ着物業界の隅っこに関わる自分でも、西陣織のすべての企業・工房・職人さんの現状を知っているわけではありません。知らないことも、たくさんあります。

ただ、個人的な思いとしては、西陣織は無くなっては大変困ります!!!西陣織の技術を、後世まで残したいです!!!

西陣織だけではなく、型染友禅も、注染も、絞りも、江戸小紋も、着物業界以外のあらゆる伝統工芸の分野でも技術継承問題が各地であるのは事実です。

現状の問題点を洗い出し、関係者の皆様で協力し合いながら、少しずつでも技術継承していけるようにしたいですね。個人では微力ながら、着物関係のいろいろな事象に注視し、勉強に勤しみたいと思います。

西陣織がんばれ!という思いを込めて、柳の芽吹きのお写真を添えて。